東京都寫眞美術館でutsuroiを覽てきた ゼラチンシルバーセッション

 前回書いた8×10展の歸りですが、ふと思ひ出して東京都寫眞美術館に寄りました。


(HASSELBLAD 503CW、Planar T* CFE 80mm F2.8、FUJICOLOR PRO400)

 お目當てはゼラチンシルバーセッションのドキュメンタリー映畫である『utsuroi』です。パンフレットを手に取るとそこには「フォトグラファーにもはやフィルムは必要なくなったのか?」と。んなわけあるかい!!

 映畫上映まで暫し時間があったので隣の惠比壽ビール祭りでヱビスビールを一杯飲んで、氣分良くなったところでGO。

 さて感想ですが・・・私自身はゼラチンシルバーセッションの單行本や當時ののコマーシャルフォト特集などで經過を知ってる身なので大變良く分かったし、現場の方々の生の聲(パネルセッション?)が直接聞けたのですが・・・

 私の妻も一緒に覽たんですが、感想を聞くと「よく分からなかった」。

 ・・・はい、それが普通だと思ひます。

 この映畫は、フィルムの取り巻かれる現狀を嫌という程理解していて、しかも彼らの活動内容を理解していて、その暗黙の前提の上で語られた話を編集したものになっていました。つまり、對象となる視聽者が極々限られたハイアマチュアかプロフェッショナル向け。妻はハッセル使ってる身なので初心者といふ程の身でも無いんですが、それでも分からんのですよ。どんだけ視聽者を選ぶ映畫か、ご想像頂ければと。

 また、その内容は多分2007年頃に撮影されたもののやうで既に過去の情報。現在はさらに狀況が劇變しているはずでして、そのリアルタイム性の無さが返す返すも殘念です。何でこんなに遅れたのか。

 もし、もしですよ、この映畫が一般の寫眞愛好家に向けたものであったなら。彼らのこれまでの活動は當然として「ゼラチンシルバー」が何者なのか、どこで使われているのか、どこで触れていたのか、そこを説明しないと。もしくは、フィルムを詰めてから印畫紙に焼き上がるまでに一體どういふ工程を經ていて、そのどこが問題になっているのか。それを映し出して貰うだけでも理解度は何倍も異なるのではと。

 なんて事を考えながらほろ酔い加減の千鳥足でフラフラと歸宅しました。


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