VueScan + COOLSCAN 5000 ED

久しく使っていなかったCOOLSCAN 5000 EDであるが、折角持っているのに何となく使わなくなるのも良くないなと思い立ち、久々に動かしてみた。

使わなかった理由。ブローニー+4×5がメインとなって久しいため、出番が無かったのである。GT-X970だと3列12コマ一気スキャンができるので便利というのもある。とはいえ、サイズが小さな35mm版だと、GT-X970では事実上2400dpiが限界であり、4000dpiが可能であり、オートフォーカスも付いている5000 EDはやはり35mm版専用の最終兵器であることは間違いない(FlexTightとか業務専用機を除く)。

が、Nikon ScanがMac OS X 10.8 Snow Leoprardに対応していない事に気づき、愕然とするのである。確かに昔使っていた頃にサポートを外されて激怒した記憶があるが、そのまま何も改善されていない事に改めて記憶が戻ってきた。

そこで思い出したのが、VueScanが今どうなっているか、である。その昔使ってみたときには、フィルムのオートローダーに対応しておらず、プレビュー時につまづいてなんじゃこりゃ、という感じであったため放置していたのであるが、ひょっとしたら対応しているのかなと思って検索してみると、対応している模様。

http://www.hamrick.com

じゃあもっかい使ってみるかと思い、早速ダウンロードして試用版で使ってみたところ、何の設定もせずに5000EDが認識された。

お、それじゃ、と思い、先日現像所から上がってきた今年の櫻をM-1でで撮ったPROVIA 100Fのリバーサルフィルムをぶち込んでみた。プレビューボタンを押すと勝手にローダーから吸い込まれていって6コマ分のプレビューが出てきた。

Screen Shot 2013-04-21 at 17.31.48

素晴らしい\(^o^)/
※ちなみにOSの言語設定をEnglishにしているため英語表記であるが、日本語表示にも対応しているようである。

スキャンしてみると、何となくぼんやりとしていてCOOLSCANぽくない感じで「?」と思ったのであるが、詳細設定のオートフォーカスがOFFになっていたりと殘念な感じの標準設定になっていたため、気合いを入れて設定を見直し、いざスキャンして無事OK。

Scan-130421-0001

素晴らしい\(^o^)/

時は金なり、ということで、くよくよ悩む時間が勿体ないため永久ライセンスキーを購入した。Webで申し込むとすぐにキーがブラウザーに表示される(電子メールでは送られてこないので注意)ため、これを保存し、VueScanに入力して完了。あとは6コマを丸ごとバッチスキャン指定して放置しておくと、あっという間に完了した。

Nikon Scanと異なり、VueScanは64bit版があるため、動作も極めて高速で安定している。1枚当たりのスキャン速度も、過去の記憶と比較しても数倍の速度であるようだ。もちろんDigital ICE(に相当するソフトウェア処理?)をONにしてであるが、逆にハードウェア処理よりも高速に動作しているような感じもする。ピンぼけになる現象も出ていない。正直よくわからんが結果オーライである。

さてライセンスを購入したあと、真面目に設定しなおして4000dpiでスキャンしてみた結果である。・・・と思ったら、1枚21Mbytesもあったので無理であった。しゃーないのでリサイズしてあげておく。Scan-130421-0001-3

これじゃわからんので、等倍の切り取った部分のみ上げておく。COOLSCAN 5000 EDでは4000dpiだとここまで解像しピントが来るのである。暫く使ってなかったから懐かしい感じではあるが、これぞ専用機品質である。ここまでバチッとピントが来る感じはGT-X970では真似できない。あれは中判・4×5・8×10のためにあるものである、と使い分けるのが正しい姿だろう、と贅沢なことを書いてみる。

Screen Shot 2013-04-21 at 22.53.07 copy

この5000 ED、今となっては何か当時よりも高値で取引されているようである。そんなんならいっぱい売ってた当時に買ってあげなよ・・・と思うのであるが、写真系の良い機材というのは大半そんな感じで消えていくので、まあこのスキャナーもそんな運命を辿ったと考えるしかないだろうが、ところがどっこいVueScanが見事に復活させてくれた。何とも有り難い話である。稼働音がブーーーーキャーーーーとかグギャギャギャギャ・・・とか大変五月蠅い状況は全く同じではあるものの、だ (夜間作業は控えた方が吉)。

今度はVueScan + GT-X970も試してみたい。EPSON Scanを退役できれば同じインタフェースで作業できるので望ましいなと思う次第である。

大濠の蓮

大濠の蓮である。仕事のほうが一段落ついたので、人間染みた生活に戻るためにもM-1を抱えてクソ暑いお濠にやってきた。蓮が咲きそうな感じであった。

ZUIKO 90mm MACRO一本勝負。レンズ付け替えるのが面倒なので、全部これで撮る。まいど撮るたびに思うが、なんと良いレンズだろうか。在りし日のOLYMPUSに合掌・・・

自然なボケが非常に美しい事で定評あるレンズであるが、大判のFUJINONレンズを蛇腹伸ばして撮影した際の余裕ある描写に似ている事に気づいた。要するに35mm判にありがちな、小賢しいコントラスト引き上げ調整をやってない、という事なのだろう。

M-1のファインダースクリーンには1-13という中央がスプリット+その周りがプリズム+周囲が磨りガラス系のものを使っているのだが、OM-3/4用のものよりも暗く、F6などと比較しても暗くファインダー自体の大きさも小さく見える。が、ピントは合わせやすい。比較対象がハッセルのアキュートマットDとなるともはや別次元の暗さであるが、小型判に大した期待をしてる訳でもないので、この程度で良いと割り切っている。明るいのが良ければハッセル、デカいファインダーが良ければ4×5を使えば良いだけのことだ。

ところで、我が家のM-1ではワインダーで引いた際にうまくチャージされない(シャッターが降りない)不具合が出始めている。なんか内部で引っかかったような、ギアが1段ズレてるような感じだ。調整に出したほうが良いのだろう。

35mmシステムの有り難さ

寫眞のBlogを分けた事もあるが、これまで雜誌執筆の延長で「ですます調」で書いていたのを、より個人性の高い「だである調」に變へてみた。ご容赦頂きたい。

さてけふは福岡國際マラソンが近所で開催された事もあり、道路狀況があまりよろしくない(通行止めされまくる)ので、ならばとテレビで中継を途中まで見ていたのを切り上げ、平和臺競技場に急行した。昨日は大型寫眞機を担いで阿蘇の外輪山をえっちらおっちら登った事もあり、けふは輕いのがいいなぁと思ひ、暫く使ってなかったM-1のシステムを持ち出す事にした。

OLYMPUS M-1 system

いつもはかういふ場合HASSELBLADのシステムを持ち出すのだが、長焦点距離のレンズをまだ持ち合わせてない事もあるし、何よりそれはそれなりに結構重いといふのもあってパス。とにかく輕く、とにかくチャチャッと撮れる事。F6を持ち出すのも嫌な感じだったので、M-1に登板してもらった。

我が家のM-SYSTEM (OM-SYSTEM)では現在3本のレンズが残存しているが、28mm F2.8、50mm F1.4、90mm F2 MACRO、これとM-1本體の総重量が1kgちょっと。何といふ輕さ。こいつらをLoweproのバッグに突っ込む譯だが、それでもバッグはスカスカ。だいたいこの3本があれば何でも撮れる。欲を言へば180mm F2.8がもう一本あればもっと良いのだが、さうなるともっと重くなる(財布は輕くなる)から先の話である。

最近35mmで撮ってなかったのでフィルムあるか!?と冷蔵庫を覗くと、Velvia 100Fが上手い具合に2本轉がっているではないか。箱を捨ててしまったためいつ買ったのかよく分からんが、まあ良いだらうとチャッチャと詰めて現場へ急行。

福岡國際マラソン

さて平和臺の現場では人もそこそこ(まあ福岡なので)で、先頭の選手が突入してくる3分前くらいに到着。先頭の選手が駆け込んでくるのをのんびりと應援しつつ、動的に合わせるのもダルかったため、90mmを付けて1/250-1/125の置きピンでじゃんじゃん撮る事に。撮れたかどうかは現像が上がってきてからのお樂しみ。

現場で感じたのは「撮りやすさ」。當たり前である。露出計は内蔵していて、輕い。とにかく輕い。三脚含めて7-8kg超の大型寫眞機と比べるのがおかしな話であるが、たった1kgちょっとが筋肉痛の我が身に有り難いのである。これだけで十分なメリットである。

ただ、撮った事の滿足度はやっぱり「感光サイズ相當」。4×5の強大な滿足度に比較しても、ほんのちょっとなのである。フィルム一本分じゃんじゃん撮った割に、どうも滿足しないのだ。これは單に大判ジャンキーであるだけの話かもしれない。が、結果を見てもたぶん釋然としないはずである。どうしても4×5と比較してしまうため、「もっと高精細に寫っててよ!」との心の声が(笑)

とはいえ、この小型のOM-SYSTEMも、久しぶりに使ってみて本當に良くできているものだと再確認できた。現像のあがりを見て、それなりの成果を上げてくれれば、もう一・二本レンズを足してみるのも良いかもしれん。

舞鶴公園の紫陽花

 先週末ですが、大濠公園の横にある舞鶴公園に行って參りました。今回は大型寫眞機を持ち出す體力がなかった、といふのもありますが、それより三脚を立てる場所に氣が引けたので、久しぶりにM-1を持ち出しました。

 冷藏庫を眺めたら、いつも使ってるVelvia 100Fの35mm判が無い。しやうがないので、たまたま餘ってたSUPERIA Venus 400を持ち出しました。あんまり好きではないのですが、安いので嫁が買い溜めていたもののやうです。これも既にSUPERIA PREMIUM 400に代替はりしているので、在庫限りですなぁ。

 大型寫眞機と比較しても一枚撮るのにも異常に簡單なので、何となく物足りなさを感じつつ、まあそれもたまにはよからう、と。ワインダーを引き、ピントリングを廻して、露出針を合わせて、バチャリ。

 デジタルカメラ=コンピューター塗り繪機による異常な彩度&コントラストに辟易してますので、敢えてネガフィルムの階調を。實際の現場の見え方はこんなもんでせう。何となくレトロな感じもあります。


(OLYMPUS M-1、ZUIKO 90mm F2 MACRO、FUJICOLOR SUPERIA Venus 400)

OLYMPUS M-1の米谷美久氏逝去

OLYMPUS M-1、OM-SYSTEM 28mm F2.8 MC OLYMPUS-PENシリーズからOM-SYSTEM、XAシリーズを設計されたオリンパスの米谷美久氏が逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。

 OMシリーズの元祖であるOLYMPUS M-1(OM-1の1972-1973年の初期生産分)は全く疎遠であった私の寫眞に對する姿勢や技術を教へてくれた、私にとっては究極の名機であります。

 カメラといふのは要するに暗い箱で有りさへすれば良くて、あとは絞り機構とシャッター機構があればOK、といふごくごく當たり前の事實を氣付かせてくれました。

 初期のデジカメで適當に遊んで何となく物足りなさを感じていた私の中で、遅ればせながらOM-1に初めて触れることができて、その時の體驗は強烈なものとなって私の中に殘っております。

 欲しい。どうせ探すなら私と同年齢のものを、と思ひ立ち、都内を驅け回って、極めて希少である本物の完動品M-1を探し出したときには鳥肌が立ちました。(トップカバーだけ交換してある模造品が多いのもまた事實でして、見分け方はシリアルナンバーや接眼窓の深さ、フィルムレールのガイドビスの數などなどが判明してるやうでして、それを參考にショーケースを睨みまくったのも良い思ひ出でございます。)

 この寫眞機を使って短期間で百本近くリバーサルフィルムを撮って勉強しまくりました。最初はそりゃぁもう酷いもんでしたが、途中からは失敗も減ってきて、36コマ全て露出OKを出せるやうになるまで結構かかりました。かういふものは、強烈な經驗で身をもって知るのが一番である、といふのは良い教訓となっております。このM-1が無ければ、現在大型寫眞機を使うことすらままならなかったでせう。光學とフィルムの單純性とそれ故の愉しさといふのは、やはり本格的に使った事のある者のみが知りうる世界ではないかと思ひます。

 手で操作し、ゼンマイ仕掛けで動作する、電池すら要らない小型の完全機械式寫眞機。機械式の宿命で調整が狂ってきて光線引きとコマ間のズレが顕著になってきたため、数年前に関東カメラサービスにオーバーホールに出し、微妙に穴の空いていたシャッター幕の交換と露出計の調整、ギア清掃と注油、表皮の交換をやってもらいました。貴重なオリジナルのシャッター幕と表皮は保管してあります。現在ではほぼ完全な状態にて我が家の防濕庫で保管されております。レンズはM-SYSTEM銘柄の50mm F1.4と、OM-SYSTEM銘柄のマルチコート仕様の28mm F2.8、それと90mm F2 MACROの三本が殘っております。あと百年くらいは樂勝で闘へさうです。

 私はこの寫眞機と平行してオリンパス繋がりでE-300やE-500そこからE-1と使い続けたのですが、ファインダーの小ささと、そもそものデジカメの空疎感に對する拒絶感から、現在では我が家に殘っておりません。また、超高速シャッターや超高速連射、オートフォーカス用途や高度なマルチパターン測光ではOMシリーズだと手が出ないのも事實なので、35mm版の主力は現行機であるNikon F6へとシステムを變更しました。

 しかし、小型寫眞機の私の基準は依然としてM-1であり、死ぬまでこれが基準機であり續けることでせう。ちなみにM-1の「M」は實は米谷氏のMである、といふのは公然の秘密でありまして、今は無き朝日ソノラマの『一眼レフ戦争とOMの挑戦』(刊行後すぐ買いました)や『OLYMPUS E-1スーパームック』などにちょこっと書いてあった記憶があります。前者やその前編に相當する『「オリンパス・ペン」の挑戦』は版元消滅により絶版狀態のやうです。大變面白くも愉快な書籍なので、是非どこかで復刻して欲しいものです。

OLYMPUS M-1、OM-SYSTEM 28mm F2.8 MC