EPSON PX-5002でA2印刷

 年末年始と大變忙しかったためマトモに更新できなかったのですが、PX-5002の記事を書けずにをりましたので、遅ればせながら掲載します。

 我が家にやってきたA2印刷對應の顔料機であるPX-5002、六切りと四切りの印刷をガンガンやってたのですが、A2の印刷をまだやっておりませんでした。EPSONからはVelvet Fine Art PaperのA2サイズを頂いてゐたので、4×5のフィルムをこいつに印刷してやらう、と。

 今回の生け贄は前々回の月イチ會で提出した4×5のリバーサルフィルムとしました。ちゃんとスキャンしようと思ひ、再度スキャナーGT-X970で2400dpiにてフィルムを縁まで含めてスキャン、9569×11907ピクセル(1億1千萬畫素)のJPEGにしまして、Photoshop Lightroom 2から印刷をかけました。

 ↑これ。

 印刷設定は以前と同様、EPSON機がSnow LeopardのColor Sync未對應のためPhotoshop側のCMSをONにして、Velvet Fine Art Paperのプロファイルを使って印刷しました。

 プリンター本體は棚の上に置いておいたのですが、さすがに紙が天井につっかえて差せないので、床に下ろしてトレイを全開にしました。

 後ろから紙を挿入。でかい。とてつもなくでかい。一般家庭では冗談とも思へる巨大サイズ。

 印刷開始。徐々に出てきます。

 こんな感じ。おお、綺麗に出てる!!

 なかなかのもんです。すげぇ。

 できあがりました。プリンターもデカいが、A2紙も全開にした排紙トレイをはみ出すくらいデカい。本體のデカさもしやうがないと納得のデカさ。

 できあがり。素晴らしい再現です。ライトボックス上で観るリバーサル現物と比較しても遜色ありません。そのまま展覽會に持って行けそうな錯覺に陥ります(^^;;; Velvet Fine Art Paperで印刷した巨大サイズがこんなにも素晴らしい再現性だとは思ひませんでした。テカテカの光澤紙よりも數段高級に見えるのは錯覺でせうか。

 さて、調子に乗ってじゃんじゃん印刷してみたんですが、印刷物をどうやって保存したものか、印刷してみて惱みました。で、探したのがITO-YAのポートフォリオ、ART PORTOFOLIO EVOLUTION (EV-12-18)をヨドバシカメラで入手しました。これ在庫切れのやうで、横浜のお店で殘りを確保してきました。

 これもまた、デカいしお値段もなかなか・・・

 さすがに専用品だけあって、品質はバッチリです。印刷物を詰め込むと凄い重さです。母は持てませんでした(^^;;;

−*−

 A2まで引き延ばした場合、フィルムサイズはどこまで耐へられるのか。結構興味がありましたので、35mm判、6×6判、4×5判と三種類のフィルムサイズをGT-X970の實質最高解像度近辺でスキャンして、そのまま印刷してみました。35mm判はNikon F6とAF-S VRレンズ、6×6判はHASSELBLADとCFi/CFEレンズ、4×5判はFUJINONレンズです。

 スキャン後のサイズは35mm判を3200dpiでスキャンして4594x4923pixels(約2200萬畫素)、6×6判は2400dpiで6985x7081pilels(約5000萬畫素)、4×5判は前述の通り2400dpiで9371x11780pixels(約1億1000萬畫素)です。

 結論。35mm判はダメです。ポヤンポヤンのボロボロ。A2まで伸ばすと解像感の足りなさで泣きさうになります。6×6判でバッチリのバキバキ解像感、4×5は余裕しゃくしゃくA0でもOKですわよ、といふ感じでありました。個人で引き延ばす場合このA2近辺が限界のやうに感じます。ここまでの展示を前提に撮影を行う場合、やはり中判以上のフィルムサイズは必須といふ結論に至りました。Webでこの感じを表現するには不可能なので是非皆様もお店などで見て欲しいところです。

 で、デジカメの場合ですけど、やはりこのサイズだと2000萬畫素オーバー、できれば3000萬畫素以上の解像度が無いとダメだなぁと感じます。例へばヨドバシカメラの新宿西口店では階段にデジカメのフラグシップ機の畫像をA2やA1で印刷したものが飾ってありますが、1000萬畫素級のD3辺りではもうガタガタのピクセルが見へ見へな譯でありまして、2000萬畫素級のD3Xで何とか誤魔化せるか?といふ嚴しい領域です。ここら辺だと3000萬畫素オーバー機がゴロゴロある中判デジタル機(中判デジタルバック)の独壇場ですなぁとつくづく思ひます。

 私自身は寫眞をどちらかといふと心象表現手段ではなく記録手段として使っている身なので、真贋性および解像度はやはり最重要課題であります。少なくとも6×6判以上で撮っておけば、このサイズまで引き延ばしてもギリギリ大丈夫さう、といふ事が分かっただけでも有り難いものです。もちろん、4×5以上、できれば8×10以上が理想ではあります。次はバイテン行きたいなぁ(ぇ

−*−

 さてポートフォリオを持參して年末年始歸郷しまして、家族に見せびらかしました。さすがに誰もそんなデッカい寫眞を間近で見たことが無いだけあって、ウルトラ大好評でありました。大東亞戰直後に初任給でオリンパスフレックスを買った90歳越えの祖父からは「お前は寫眞屋になれ!」と有り難いお言葉を頂きました(笑)。儲かりさうにないので遠慮しておきます(^^;;;


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コメント

“EPSON PX-5002でA2印刷” への3件のフィードバック

  1. arataのアバター

    スバラシです。

  2. じふのアバター
    じふ

    A2とは只々脱帽です.やはり中判以上でないとダメですか.そうですよね~

    最近は娘のポートレートを4×5で撮って親ばか丸出しです.モノブロック2台にアンブレラとブームスタンド,ライトボックスまで散財して我ながらアホかと思いますが,流石に多灯ライティングだと光のまわりがきれいです.もっと研究しないと.

  3. rockcapeのアバター

    >arataさん
    どうも有り難うございます。

    >じふさん
    やっぱり中判サイズの威力は凄いもんです。機動性を含めて風景・コマーシャル用途で重宝がられた(重宝がられている)理由がようやく判りました。

    4×5のポートレートとは凄いですね。まだ4×5で真面目に人物を撮ったことが無いです。でも、解像度的にも表現の余裕的にも可能な限り大きなフィルムサイズで撮るのは大賛成です。