霧島丸尾瀧

久しぶりの寫眞系投稿である。涼しいのをと思ひ、去年WISTAで撮った丸尾瀧である。

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我が家のフィルムスキャナーは二台あるのだが、そのどちらもVueScanから制御可能である。スキャナー付属のソフトウェア(NikonScan, EPSON Scan)から制御するより、VueScanから制御した方がスキャナーヘッド移動が自然であり、大變静かである。マンション暮らしとしてはこちらの方が圧倒的に良い。このフィルムは120を6×7で撮影したものであるため、GT-X970側でスキャンしている。

さて、この大型寫眞機の撮影であるが、三脚を擴げ、カメラを乗せ、後枠をを立てて蛇腹を伸ばし、レンズを付けてレリーズを付け、撮影開始。その後はピントを合はせて露出を計り、シャッタースピードを設定してシャッターを閉じ、絞りを設定し、フィルムホルダーをピントグラスの間に滑り込ませて、空シャッターを切ってから引き蓋を引き、ようやくシャッター。収納するのもこれの逆を行ふ。慣れたら1枚當たりの所要時間は最短で5-10分くらいである。

但し、このやうな瀧の撮影は崖っぷちで撮る事も多く、冠布(かんぷ)を被ってピント合わせに集中していると、冠布から出た後に轉落・滑落・・・といふ危險が伴ふ。このため、最近はWISTA付属のピントグラス保護兼跳ね上げ式ピントフードのみを使っている。これに4倍ルーペがあれば、實は大袈裟な冠布は不必要だったりする(あとは拘り次第・・・)。

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↑冠布とはかういふやつである。

なおこの寫眞はWISTA45SPに150mmを付けて撮ったものである。35mm判換算6-70mm程度なので、窮屈ぽくもある。可能であれば90mmやもうすこし廣角の65mm辺りが欲しいのであるが、いまだ入手できていない。現在は利便性を優先してHASSELBLAD側を充實させているものの、良い具合に揃ってきた爲、そろそろ次はこちら側かなと考へる次第である。

譽れ高きFUJINONレンズであるが、現行品のかどうなのか不明であるものの普通に購入できる狀態であり、富士フイルムで點檢修理も普通に可能であるため、特に現行型の中古は比較的品薄である。が、昨今の超音波モーター内蔵型レンズなんかよりずっと安價である。ビューカメラ面白いよ!

撮影に行ったのにフィルムを忘れる→XA大活躍

仕事の合間を縫って藤棚を観に行ったのであるが、うっかりフィルム(ブローニー120のPROVIA 100F)を持って行くのを忘れてしまった。アホである。こういう時に限って、持って行ったのがWISTA望遠セットである。

  • WISTA 45 SP
  • Sinar Roll Film Holder 6×7
  • CM FUJINON W 250mm F6.7
  • FUJINON T 400mm F8
  • SEKONIC L-758D
  • TOYOのルーペ
  • レリーズ
  • 三脚 (SLIKのカーボンのなんか忘れた + ARCA SWISS Z1)

改めて総重量を計ってみたら6.8kg+2.1kg(三脚)=8.9kgであった。クソ重いはずである。

で、フィルムがない。只の鉄とガラスの塊である。

しかし、ビューカメラを持って行く際に必ず持って行くカメラがあった。OLYMPLUS XAである。これは恐ろしく軽いというか200gくらいしかない。大きさもiPhone 4Sより横が短い。黄色の二重像を重ねる距離計付きの立派なレンジファインダー機、精度の良い露出計内蔵、しかも35mmフルサイズ機(笑)である。

本機は2年前に天神の中古カメラ屋に安価にあったものを保護したものである。露出計が当初アンダー気味だったためカラーネガ専用機として適当に使っていたのであるが、使っているうちに改善されてきて、今やSEKONICの露出計とだいたい同じ値を弾き出すまでに改善したため、今年からリバーサル機として大活躍中である。何故改善されたかは謎であるが、結果オーライである。

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クレジットカードサイズを一回りだけ大きくしただけである。ちなみに裏蓋だけは金属であるため、手触りはひんやりして意外にイケる。この点だけはNikon F100よりも上である。

さてこのXAにPROVIA 100Fが入った状態でポケットに入っていたため、全く撮れないという嘆かわしき事態だけは避けることが出来た。幸いターゲットたる藤棚もさほど満開という訳でもなく、フィルムがあったとしても撮らなかったかな、と思えるほどであったため、こちらも結果オーライであった。

いずれにせよ、フィルムは余計に買っておくこと、それと出掛ける前には必ずフィルムを持って行く事をチェックすること、が重要なことであると改めて思い知った次第である。フィルム忘れなくても露出計とかレリーズとかルーペとか忘れるんだけどね・・・

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大型カメラWISTA45 SPの使い方(2012年版)その3

その2の続きである。

さて、最後は使い終わったWISTAを畳む番である。要はその1の組み立てる際の逆をやれば良いだけではあるのだが、それでは面白くないので、ちょいと変わったたたみ方をお伝えしよう。レンズを付けたままの畳み方である。基本的には、レンズの前後をひっくり返してはめ、その後に畳むという一風変わった技である。

この手法は金属型のテクニカルビューカメラだといくつかの機種(Linhof Master TechnikaとWISTA45系くらいしか知らんです)で可能なのだが、必ずしも正しい使い方という訳ではない(説明書には載ってない)方法であるため、そこだけご注意頂きたい。

さて、このレンズを付けたまま畳む方法であるが、基本的には小型のレンズであれば同様にできるのではと思う。ただ、ここでは現代日本において最も入手しやすく現行品の標準画角である150mmレンズである、CM FUJINON W 150mmでの方法である。このCMシリーズは2000年前後に全面リニューアルされた極めて現代の最新型レンズであるが、リニューアルされた際に旧FUJINON WS型よりも大型化されてしまっており、ふつうに前後ひっくり返してはめ、畳むとベッドレールに当たる。当然ながらレールも金属であり、そのまま閉じると傷が付く事間違い無しである。というか物理的に閉じないのである。

そのため、レールを当たらない程度ズラし固定してから、閉じるという手法になる。我が家のWISTA45SPだとこれで百発百中で閉じるので、同機種・同レンズをお持ちの方は当たらないようにゆっくりと試してみて欲しい。これ便利です。

ちなみに、これは通常の下に数ミリオフセットされた(下付の)リンホフボードの場合である。WISTAから発売されているセンター穴あきボードの場合は、そのまま格納できると思われるので、もしお持ちの方は試してみて欲しい。ちなみに私は互換性を優先させるため持ってないのである。

まず最初。レールの二段目を後枠のレールにぴったりくっつけるため、奥まで押し込む。その後、CM FUJINON 150mmを前後ひっくり返して前枠にはめる。意外かもしれないが、フラットボードをひっくり返すだけなので当然ながらはまる。

そのあと、前枠を後枠に押し込む。ズリズリズリ〜

さて、ここからがポイント。通常だと、二段目レールを一段目と同じ位置に戻して畳むのだが、「わざと」完全に戻さずに、ちょっとだけずらして固定するのである。私が目安にしているのは、二段目レールに刻まれた黒・赤・黒・・・という目盛りの一番下の部分と、固定レバーの上にある銀色の点(たぶんネジのさきっちょ)の上の部分を一致させる事である。判りづらいかな? 斜めに傾いてる黒いレバーの上の銀色のポッチの部分である。

さて、この二段目をズラした状態で、後枠の横の固定ダイヤルを緩め、ゆっくりと閉じるのである。普通ならここでレンズの後群が二段目レールに当たるのだが、微妙にズラしているので、あら不思議、当たらないのである。まあ、念のために最初はホントに当たらないようにゆっくりと確認しながらやって欲しいのである。

閉じてしまった状態。中に150mmレンズが入ってます。これでバッグの中に150mmレンズ一本分のスペースが空いた。いつも軽量超小型バッグに押し込んでる私としては、この一本分の差はとてつもなくデカい。だってこれでさらにもう一本レンズ持って行けるんですよ奥さん!!

金属製カメラは木製のものに比べて重いのが弱点であるが、このレンズを格納できるという必殺技を持った機種は木製機種にスペースで勝てるという、あちらを立てればこちらが立たず、との面白い話である。木製カメラはみんな前枠を外すか倒すかして閉じるから、原理的にレンズをはめたままの格納は無理なのである。

念のためピントグラスを外してみたものがこれ。レンズをひっくり返して格納しているので、前玉がこんにちは状態なのである。ギリギリ数ミリの空間があるため、これでピントグラスに当たらないのである。まさに計って設計されたかのようなこの絶妙感(笑) MADE IN JAPAN萬歳。

ちなみにWISTA45シリーズは1972年頃にファーストリリースでそれ以降あんまり設計は変わってないので、2000年前後に出たCM FUJINONシリーズとのマッチングは単なる偶然である。念のため。

この格納時にレンズのキャップをはめると、何とピントグラスにキャップの先っちょが当たる。これだと振動でピントグラスを割る可能性があるので、キャップをするのは止めた方がいいだろう。ただ、レンズ交換時の安全を考慮して、キャップそのものは持って行った方が良いと思うのである。

大体のWISTA45シリーズ特有の基本的な使い方はこんなもんなので、あとはシフトとかスウィングについて、続けたもんか考えている。これ、需要あるのかな・・・

大型カメラWISTA45 SPの使い方(2012年版)その2

その1の続きである。

次は実際に使ってみるところを解説してみる。

WISTA45 SP

組み立て完了のところ。ここから再開。

WISTA45 SP

裏。いわゆるグラフロックバッグである。バッジが付いてるところはファインダーのフードになっていて、下の丸ボタンを上にスライドさせることによってバネで跳ね上げられる。

WISTA45 SP

ファインダーフードを跳ね上げたところ。当然ながら金属製+革製で、ファインダーガラスのプロテクターも兼ねている。こういう堅い所が金属製ビューテクニカル機の良い所である。

WISTA45 SP

フードは横に開ける。邪魔なときはこういう風に開いて・・・

WISTA45 SP

こうやってワンタッチで外せる。上に持ち上げたら番井がバネになってるので引っ込んで外せる。日本製らしく意外に作り込みが細かい。

WISTA45 SP

外したところ。ここまで来ると通常のビューカメラと同じような見栄えになってきた。但し、この状態だとファインダー像が暗すぎて屋外だと全く見えない。冠布(かんぷ)が必須である。ちなみにこのファインダーはWISTAにお願いして、標準構成のフレネルレンズ(波が刻んであるプラスチック板)ではなく、普通の磨りガラス(方眼罫線入り)に変えてもらっている。厚みが違うので、抑えの金属もカスタムになっている。フレネルは明るいけど、目が粗くてピントが合わせにくいのだ。磨りガラス+ルーペ最強。
WISTA45 SP

後ろのグラフロックバッグは、特にストッパーも無く、動かしたいときにグイッと回せばくるっと回る。いわゆるリボルビングバック。縦位置にするのもワンタッチで、90度回転した所でカクッと止まる。堅いからクルクルは回らない。金属製カメラ万歳。

WISTA45 SP

縦位置。この眺めはなかなか格好いい。ちなみに花を撮影する場合は何故か縦位置で撮影する事が多い。

WISTA45 SP

で、撮影時。ファインダーを持ち上げてカットホルダーを滑り込ませる。ここではよく使うSinarのロールフィルムホルダーを突っ込んでいる。

WISTA45 SP

突っ込み終わり。グラフロックバッグ規格なので、カクっと止まる。WISTA45の場合、枠から出っ張った所が邪魔で引っかかる。これは過去の記事で書いたとおり。

WISTA45 SP

んで、引き蓋を引いて撮影。4×5サイズのカットホルダーも、インスタントフィルムホルダーのPA-45も同じ手順である。引き蓋を引かずにシャッターを切ったり、シャッターを閉じずに引き蓋を引いて感光させたりしないように注意。

WISTA45 SP

ファインダーは当然ながら外せる。バネで押さえてある銀色のアームを押し込んでずらすと、するっと外れる。

WISTA45 SP

外したところ。蛇腹の中身はからっぽである。そりゃそうだ。写真機なぞ元からこんなもんである。奥に見えるのはレンズの後玉である。レンズシャッターを開けているので向こう側が見える。

その3へ続く。

大型カメラWISTA45 SPの使い方(2012年版) その1

この特集は観てもらえる人を増やすため、現代仮名遣い+新字体を使います。

先週までのHASSELBLADの話題は段々飽きてきた。ので、メインで使ってる大型写真機の利用者を増やすべく、愛機WISTA45 SPをざっくりと説明していきたい。この辺は書籍にもあまり書いてないので、実際に使ってみるしかよく分からないだろう。各メーカーが説明書等々をフリーで公開してくれれば良いのだが、仮に公開されたとしても余り記載が詳しくないので、やっぱり有用であろうと思う。

過去にもなんか書いた記憶があるのだが、そこまで詳しくは書いてなかったと思うので、今年版という事でひとつ。ちなみにWISTAの人曰く、我が家のはWISTA45 SPの前期型(初期型)らしく、部分的に色が違ったり材質が違ったりしているのだが、現行型と比較しても大して変わらんので安心して欲しい。

WISTA45 SP

立てたところ。畳んである。重さは大体2.9kg。総合金製で頑丈である。各種機能が満載であり、Linhofマスターテヒニカと似てる割に、比較しても結構機能が異なる。まあ実際使ってみれば判るのだが。

WISTA45 SP

裏。三脚穴は通常の国産の1/4インチのやつ。純国産だし。MADE IN JAPAN。というか板橋区製。ウイスタはリトレックSPとかリトレックビューで有名な、昔の武蔵野光機の後継会社である。

WISTA45 SP

ベッド部に見えるボタンを押し込んで開く。開く前に取っ手の下に見える大型のダイアル左右両側を緩めないと開かないので注意。このようにリンホフのマスターテヒニカとかと比較しても、ベッド部にタスキが無くて極めて頑丈である。

WISTA45 SP

開いたところ。後枠とベッドを繋いでるダイヤルが強大にデカいのが判るだろう。後枠は前後に動かせるが、途中でクリックが入り傾けた分量が判りやすくなっている。総金属製ならではである。伊達に重い訳じゃないのだ。

WISTA45 SP

前枠を引き出す。その為に一段目のレールを後枠にくっつける。マスターテヒニカと同じなのだが、これをやらんと削れるので注意。マニュアルにもちゃんと書いてある。

WISTA45 SP

取っ手を摘んでズリズリと引き出す。離すと止まる。かなり硬いので注意。逆にユルユルだと困るので、これはこれで正解。

WISTA45 SP

ベッドと後枠を繋ぐダイヤルを締め込んで固定。

WISTA45 SP

WISTA45シリーズは二段レールになっているため、ここでは250mmレンズを付けるために一段目を引き出す。固定は二段目に付いてる二つのレバーで行う。操作が直感的で非常に判りやすい。

WISTA45 SP

で、レンズをはめる。レンズボードはいわゆるリンホフタイプならなんでもはまる。はず。これは過去の記事の通りWISTA純正のボードをヨドバシカメラ経由で取り寄せて使っている。3000円くらいだったはず。WISTAの金属製バッジが付いている。

WISTA45 SP

上のノブをちょいと上に持ち上げて固定。バネであるので楽ちん。よく見たら判るのだが、WISTAのバッジは日本でお馴染みの藤の家紋である。由来は知らんのだが、誰かの家のものだろうか。ちなみに熊本市にある藤崎八旙宮と同じ家紋であり、密かに気に入っている。日本製って感じでいいじゃないか。

WISTA45 SP

次にライズ用の前枠の固定ダイアルを緩める。向かって右側。

WISTA45 SP

次に向かって左側のライズ用のダイアルでズリズリと8mm持ち上げる。上の画像で判るが、丁度ライズで持ち上がった枠が8mmなので判りやすい。マニュアルに書いてあるのだが、リンホフタイプの下付ボード(オフセットボード)だと光軸が下になってしまうため、持ち上げないといけないのである。これ知らない人多いので注意。

WISTA45 SP

組み立て完成。だいたい慣れたら1分くらいで出来るようになるので、そんなに気にする必要はないだろう。あとはレリーズを付けて、レンズのシャッターを開け、絞り開放にしたら撮影開始である。

WISTA45 SPは生産開始から30年くらい経ってると思うのだが、WISTAのオンラインショップ(または板橋区の本社)やヨドバシカメラ等々でまだまだ現役で入手できる。当たり前だが修理もやってくれるし、蛇腹も含め各種パーツもヨドバシ経由またはWISTA直で供給OKである。これは日本製ならではである。

中古だと恐らく7万〜15万の間くらいが適正価格だと思うが、折角なら新品がいいという方は景気振興と会社存続も兼ねて如何だろうか。2.5kgで軽いけど機能が削れたWISTA45 VXというのもあるので、用途に応じて。

ちなみにWISTAからは一銭ももらってません(笑)

その2に続く

櫻の蔭 中判カメラの存在理由


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櫻を撮っていて、ふと上を向くと幸せな光景がそこに。そんな經驗は誰しもあるだらう。

そんなときにちょいと撮影、となるとビューカメラだとそもそも三脚が立てられない等の制約がある事が多く、結局は手持ちで撮影できる事がそのやうな際の最低条件となる。

もちろん4×5サイズのフィルムでも手持ち撮影できるのは間違いないし8×10でも實踐されているので何とも良いやうがないのであるが、中級者程度の者が手を出せる市販のカメラとなると中判カメラが事實上の限界となるだらう。

この寫眞もふと上を向いたときに八重櫻と白い櫻が青空に映えたのがとても綺麗と感じたため、パッと櫻色側の花びらを数カ所スポット測光したあと、ハッセルに持ち替えてシャッター速度・絞りを設定し、レンズを上に向けてピントフードを上げ、ルーペを跳ね上げてピントを合わせ撮影したものである。ここまで10数秒もあれば完了してしまうのは、重量級の裝備がどうしても必須となってしまうビューカメラでは到底無理な所作である。

ちなみにハッセルブラッドのピントフードは上から覗く逆像タイプであるため、眞上を撮る際にでも首を上に向ける必要がなく、普通に正面を向いていればよい。これはもの凄い便利である。正像のアイレベルファインダーだと無理な藝當であらう。

用途に應じてフィルムは安價に選擇できる。しかも現在フィルムカメラは二束三文の叩き賣りである。フィルムの將來性が危ぶまれて早十数年であるが、フィルムは数は少なくなれどまだ存在し、危ぶんでいた十年前のプラスチック外装デジカメは今やゴミ以下の扱い、當時撮影した低畫素JPEGファイルは雑魚扱いでRAWは對應不能なソフトが増加である。私のハッセルは1999年製であるが、金属製の外見も大して變はらず、何の問題もなく相變はらずウルトラ快調である。昔撮影したフィルムは35mm判であれ、通常用途であれば解像度的にも問題ない。現實的に撮影可能な枚数を考慮した上でコスト的に観ても、フィルムはなかなか良い線を行ってると思ふのであるが如何であらうか?

まあ話がだいぶ逸れたのであるが、どっちにしろ用途に應じたフィルム選擇とカメラの持ち替へは、フィルム利用者の大きな選擇肢である。私の場合、手持ちはハッセルブラッドの一眼レフカメラ、三脚用途はウイスタのビューカメラ、手ぶらの場合はポケットにOLYMPUS XA、といふだけである。

舞鶴公園の梅林 ビューカメラで被写界深度を克服


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昨日のビューカメラの記事に引き續き、今日も普及促進のためちょいと前の梅の寫眞を掲載してみる。

さてこの寫眞であるが、昨日の記事と同じ場所から方角を變へレンズを150mmに代へて撮ったものである。手前の梅から奥の梅までピントを合はせるため、フロントレンズ煽りF45くらいまで絞って撮った物であったやうに憶えている。

ごく特殊なカメラを除き、35mm判や中判のレンジファインダー型・一眼レフ型・二眼レフ型の寫眞機には煽りの機能がない。そのため、無限遠から最短撮影距離まで全てに焦點を合はせようとすると、單に絞りを最大にするしかない。ところがここで問題發生。特に小型判であるが、絞りがF22くらいまでしかないレンズが多く、しかも最大まで絞ると回折現象ですっとぼけた結果になってしまい、シャープに無限から手前までピントを合はせる事が出來ないのである。これはハッセルブラッドVシリーズ等の中判カメラも同じである。

この無限遠から最短撮影距離まで全てピントを合はせるといふ行爲がどれだけ重要かは、特に廣大な風景を撮影する者にとって厭と云ふほど思ひ知らされている事であらうかと思ふが、小型判では原理的に不可能なので一部だけピントを合はせて誤魔化した(=判型の特徴を生かした)寫眞を強いられ、ズバッと全体にピントが合った寫眞に慣れていない事が多いやうに思へる。これは大變殘念な事である。

ビューカメラはレンズをはめた前枠を上下左右にシフトさせるだけでなく、上向き・下向き・右向き・左向きに傾ける事が可能となっている。光學的な話となると、シャインフリュークの法則 (Scheimpflug principle) により、被寫界深度領域を傾ける事が可能となっている。通常は寫眞機から焦點を合はせている距離から被寫界深度分のピントが合う事はある程度寫眞に詳しい方であればもはや説明すら必要ない事であらうが、ビューカメラは通常だとカメラのフィルム面と平行であるピント面を好きな方向に傾ける事が可能となっている。

つまり、ピント面をピントを合はせたい梅の木々に強引に傾け、そこから更に絞り込んで被寫界深度を稼ぎまくっている譯である。要するに「それズルい!」といふチートな必殺技であり、通常の小型判だと逆立ちしてもできない事が可能になっている。

ちなみに焦點面を傾けている譯であるから、その焦點面から離れれば離れるほどピントは合わなくなるのであるが、この寫眞の場合、焦點面より先は地中深く、焦點面より手前は何もない空中になっている譯で、何も困らないのである。これ發見した人や使いこなした人はほんとに天才だと思ふのであるが、恐るべき事にこの煽り機能は100年以上前の寫眞機にも付いていたりして、むしろ現代の寫眞機は退化しまくりだったりしている譯である。

といふことで、ビューカメラ超面白いよ! と二度目の煽りを入れてみるのである(笑)

舞鶴公園の梅 ビューカメラって面白いよ


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櫻ばかりの投稿もどうかな、と思ひ、ちょいと前の梅を投稿してみることにした。舞鶴公園の梅である。この時はかなりの曇天で今にも雨が降りそうだったやうな記憶があるのだが、相手が難敵である梅であつたため、対抗するためにWISTAを持ち出すことにした。

一般に梅の撮影といふのは結構難しいと言われているのだが、特に難しいのが咲いている梅の木を長焦点距離で狙つた際である。大半の35mmフィルムだと、極めて濃い朱をまとった梅の花が汚く滲んだやうに表現されてしまい、更にNIKKORに代表されるカリカリ系のレンズだとザワザワしたような、見ていて何となく落ち着かない「ウザい」系の寫眞となってしまいがちである。

(もつと最悪なのが一眼デジカメ系で、フラグシップ機でも朱の表現が噓まみれのハイパー塗り絵状態である。が、まあ元々が「センサー感知式自動塗り繪器」なだけに面目躍如でもあらうが・・・)

これに對して大型のフィルムを使った場合、再現性に餘裕があるため滲みも多くなくザワザワした感じもなく、極めてごく普通に撮れてしまうところが利點である。なんだこのくらいうちのカメラでも撮れるよ、と思はれた方は實際に撮ってみると意外にも結果が意圖を反映してくれていない(どうもイマイチな感じになる)のに気づくことだらう。

フィルムカメラの利點はデジカメ玩具のやうにセンサーサイズに縛られない所である。撮影対象ごとにフィルムのサイズを変更して撮影できる點は何者にも代え難い長所として考えられるのである。このやうに腰を据えて緻密な撮影を行う際には、できるだけ大きいサイズのフィルムで、ビューカメラを用いて煽り等を用い厳密にピントを合はせるのが鉄則であらう。

この寫眞の場合は、高臺に登って三脚を立て、カメラを組み立て、蛇腹を延ばして250mmレンズをセットし、煽り・シフトを多少入れた上でスポットメーターで露出を計り、シャッターを閉めてチャージし、ブローニーのフィルムスライダーを突っ込んでから、遮光蓋を引いてようやくシャッターを切ったものである。

當然ながらシャッターを閉めた後はファインダーから像を覗くことはできないため、かなり強くファインダー像腦内に焼き付けておかないと、シャッターを閉める~シャッターを切る直前に人が通ったり強風が起きたりするわけで、撮ろうとしている所がどこなのか憶へておかないとシャッターを切るのを待つことすらできない。これは結構難しい。

一枚撮るのに、慣れてても3分はかかる。だいぶ慣れたので3分でできるやうになったが、通常は10分かかると云はれている。こんな面倒な事をやってでも得られる寫眞はそれ相當の満足感あるものである點が素晴らしい。まさに趣味冥利に盡きるといふものである。

この寫眞を撮った際には何も考えずに撮ったのであるが、改めて観ると背景に緑色がありつつの紅い梅が手前にあり、小型判では恐らく滲みまくって汚く写りがちなものである。フィルムサイズが大きくレンズにもギリギリ8×10まで行けるものを6×7で撮るといふ超餘裕かました状態であるので、特に問題なく写っている。この當たり前のものが當たり前に写るのが嬉しいのである。

ビューカメラ、といふ單語が廢れて久しいやうな氣もする。が、大型カメラといふよりはビューカメラの方が形態を表した單語として相應しいと思ふのでこちらの表現を使っている。ビューカメラもかなり面白いよ。

「月イチ」9月度テーマ「静物」

體調の惡い日々を送つていたのであるが、さすがに三聯休ともなると三日目には良くなるものである。今週末は極力寫眞を撮るやうにした。昨日は阿蘇といふか九重連山までドライブと洒落込んだのだが、さすがにWISTA45SPを持って行く氣力が無く、HASSELBLADのみの貧弱裝備となつてしまったのである。ご免よ、お天道樣(笑)。

FP-100C45

といふことで今日はずいぶんご無沙汰していた月イチ會の揭示板を眺めつつ、9月度のテーマであった「静物」の撮影を行つてみる事にした。私の最も苦手な類いのものだが、單にほとんど撮つたことが無いといふ事でもある。だいたい良くわからんので、近くにあつたやつを窓際で撮つてみた。

撮影に際しては、歪みを少なくするため今年中頃から參戰中の250mmにご登場願つたが、殘念ながら蛇腹がこれ以上伸びないのでこの大きさとなつてしまつた。カメラが制約になりすぎる日々が續いている以上、そろそろ買い替えといふか買い足しが求められてきたのであらうとも思ふのである。

フイルムは即時現像が可能なやうに富士フイルムのFP-100C45を使つた。10枚組であるのだが、これも最後の10枚目。よく考えたら福岡に引つ越し前に買つたものであり、二年以上前のものである。微妙に赤みがかつているのはその爲と考えても良からう。

上の畫像はFP-100C45を剥いだ裏紙、といふかネガフイルムである。月イチ會に投稿した今回の成果=ちゃんとした寫眞はこちらからどうぞ。
http://www.flickr.com/photos/rockcape/6230037898/in/pool-1383848@N20/

芍薬 其の二

WISTAで撮った芍薬其の二。丁度光が入ったところで撮った。硬いような、柔らかいような。こういう桃色を咲かせる花というのは本当に凄い存在だと改めて感心する。

拡大して見れば判るのだが、どうも横一直線に傷が入っている。Sinar 67のローラーになんか挟まっていたのだろう。この次のコマで傷はなくなっているのでもう取れたのだろうが、清掃が必要のようだ。