寫眞工業別冊 ラージフォーマットカメラ入手 1972年

 前回の記事の直後に入手できましたのでついでに紹介しておきます。これは1972年刊の大型寫眞機ムックです。寫眞工業の別冊になっています。極めて珍しい本ではないかと思ひます。

 ボロボロですがまだ讀めます。ただ、ラージフォーマットといふ用語が現代とズレてるやうで、6×6判以上といふ括りになっております。

 内容は極めて濃いです。分厚い全276ページ。當時最強の大型寫眞機向け情報誌だったのでは。

 内容もてんこ盛り。今讀んでもかなりシビれます。歴史變遷からレンズ、煽り、シャッター、感光材料、各カメラ機構解説、特殊技法、シートフィルムの自家現像、交換レンズ性能解説、アクセサリー、一覧、と、ここまで網羅性のある現代の大型寫眞機書籍は皆無とも云へます。

 巻頭の歴史變遷。現代の書籍にはかうしたクソ眞面目な記事は無くなりました。あっても端折られてる事も多いですし、これは貴重。

 レンズの煽りと光學理論。よーわからんですが、凄い事が起きてるといふ知的興奮は味わえます(笑)。趣味性も高い。

 各機種の解説。6×6以上なのでハッセルやらブロニカやらマミヤC330やらもありますが、定番のLinhof TECHNIKA VやSinar PやTOYO-VIEWなどもいろいろあります。これは極めて珍しいディアドルフの使い方記事。

 當時賣ってたんだから、ある意味當たり前ではありますが、現代の紙面ではまづ覽られないでせうなぁ。

 これも珍しいコパルのシャッター機構を解説したもの。なるほど、かうして動いてたんですか。現代では絶滅したのかもしれない、エレクトロシャッターについても記事があります。

 レンズ特集。これもまた、滅多にお目にかかれないトプコールレンズ。この記事の貴重なところは、何と開發會社が自ら記事を執筆しているところです。さすがは寫眞工業。

 周辺機器の記事もてんこ盛りでお腹一杯です。これも珍しい引き伸ばし機の勇、ダーストのまとめ記事。

 巻末には當時のレンズ一覧が。これは貴重。便利に使はせて頂きます。元の所有者の書き込みが凄い(笑)

 以降、珍しい廣告をば。これはシュリロ。當時からあったとは・・・

 セコニック。スタデラ格好いい。何とコパルですよコパル。

 コムラー。今では滅多に美品にお目にかかれません。

 ジナーP。まだP2は出て無くて、Sから變はったばかりだったやうです。

 ポラロイドの4×5ピールアパートの記事。こんな廣告まであったとは・・・

 これはウイスタの前身であるリトレックカメラの記事。リトレックビュー格好いい! シャネル5番シャッターデカいっす!!

 タムロンも大型レンズ作ってたんですね。これは知りませんでした。見たこと無いっす。見過ごしてる可能性大ですが。

 カルメット4×5。タイポグラフィーがダサい(笑)

 トヨビュー。右側にトヨフィールドもありますし。當時から愛用されていた事は間違いなささうですね。

 −*−

 前回紹介した1960年の寫眞工業から12年も經過しているだけあって、その充實っぷりは目眩がする程です。この頃から1990年頃までが大型寫眞機の全盛期と考へて良いのでせうかね。この位の量と充實っぷりがあれば、誰もが納得できるのではと思ひます。現代のカメラ書籍作りはどこかで根本的に間違ってしまったのでせうか。「デジカメ何とか」とか題された販促カタログ誌の世界と、何か根元から違う氣がします。

 あまりにも記事の量が多いので、ゆっくりと愉しませて頂きます。もしこの本を偶然見つけたあなた、これは買いデス。

4 Replies to “寫眞工業別冊 ラージフォーマットカメラ入手 1972年”

  1. >arataさん
    日本カメラ博物館辺りには保管されてそうですが、近所の図書館では(古いこともあって)全滅ですね・・・こんな気合いの入った現代バージョンのが欲しいっす。

Leave a Reply