霧島丸尾瀧

久しぶりの寫眞系投稿である。涼しいのをと思ひ、去年WISTAで撮った丸尾瀧である。

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我が家のフィルムスキャナーは二台あるのだが、そのどちらもVueScanから制御可能である。スキャナー付属のソフトウェア(NikonScan, EPSON Scan)から制御するより、VueScanから制御した方がスキャナーヘッド移動が自然であり、大變静かである。マンション暮らしとしてはこちらの方が圧倒的に良い。このフィルムは120を6×7で撮影したものであるため、GT-X970側でスキャンしている。

さて、この大型寫眞機の撮影であるが、三脚を擴げ、カメラを乗せ、後枠をを立てて蛇腹を伸ばし、レンズを付けてレリーズを付け、撮影開始。その後はピントを合はせて露出を計り、シャッタースピードを設定してシャッターを閉じ、絞りを設定し、フィルムホルダーをピントグラスの間に滑り込ませて、空シャッターを切ってから引き蓋を引き、ようやくシャッター。収納するのもこれの逆を行ふ。慣れたら1枚當たりの所要時間は最短で5-10分くらいである。

但し、このやうな瀧の撮影は崖っぷちで撮る事も多く、冠布(かんぷ)を被ってピント合わせに集中していると、冠布から出た後に轉落・滑落・・・といふ危險が伴ふ。このため、最近はWISTA付属のピントグラス保護兼跳ね上げ式ピントフードのみを使っている。これに4倍ルーペがあれば、實は大袈裟な冠布は不必要だったりする(あとは拘り次第・・・)。

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↑冠布とはかういふやつである。

なおこの寫眞はWISTA45SPに150mmを付けて撮ったものである。35mm判換算6-70mm程度なので、窮屈ぽくもある。可能であれば90mmやもうすこし廣角の65mm辺りが欲しいのであるが、いまだ入手できていない。現在は利便性を優先してHASSELBLAD側を充實させているものの、良い具合に揃ってきた爲、そろそろ次はこちら側かなと考へる次第である。

譽れ高きFUJINONレンズであるが、現行品のかどうなのか不明であるものの普通に購入できる狀態であり、富士フイルムで點檢修理も普通に可能であるため、特に現行型の中古は比較的品薄である。が、昨今の超音波モーター内蔵型レンズなんかよりずっと安價である。ビューカメラ面白いよ!

撮影に行ったのにフィルムを忘れる→XA大活躍

仕事の合間を縫って藤棚を観に行ったのであるが、うっかりフィルム(ブローニー120のPROVIA 100F)を持って行くのを忘れてしまった。アホである。こういう時に限って、持って行ったのがWISTA望遠セットである。

  • WISTA 45 SP
  • Sinar Roll Film Holder 6×7
  • CM FUJINON W 250mm F6.7
  • FUJINON T 400mm F8
  • SEKONIC L-758D
  • TOYOのルーペ
  • レリーズ
  • 三脚 (SLIKのカーボンのなんか忘れた + ARCA SWISS Z1)

改めて総重量を計ってみたら6.8kg+2.1kg(三脚)=8.9kgであった。クソ重いはずである。

で、フィルムがない。只の鉄とガラスの塊である。

しかし、ビューカメラを持って行く際に必ず持って行くカメラがあった。OLYMPLUS XAである。これは恐ろしく軽いというか200gくらいしかない。大きさもiPhone 4Sより横が短い。黄色の二重像を重ねる距離計付きの立派なレンジファインダー機、精度の良い露出計内蔵、しかも35mmフルサイズ機(笑)である。

本機は2年前に天神の中古カメラ屋に安価にあったものを保護したものである。露出計が当初アンダー気味だったためカラーネガ専用機として適当に使っていたのであるが、使っているうちに改善されてきて、今やSEKONICの露出計とだいたい同じ値を弾き出すまでに改善したため、今年からリバーサル機として大活躍中である。何故改善されたかは謎であるが、結果オーライである。

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クレジットカードサイズを一回りだけ大きくしただけである。ちなみに裏蓋だけは金属であるため、手触りはひんやりして意外にイケる。この点だけはNikon F100よりも上である。

さてこのXAにPROVIA 100Fが入った状態でポケットに入っていたため、全く撮れないという嘆かわしき事態だけは避けることが出来た。幸いターゲットたる藤棚もさほど満開という訳でもなく、フィルムがあったとしても撮らなかったかな、と思えるほどであったため、こちらも結果オーライであった。

いずれにせよ、フィルムは余計に買っておくこと、それと出掛ける前には必ずフィルムを持って行く事をチェックすること、が重要なことであると改めて思い知った次第である。フィルム忘れなくても露出計とかレリーズとかルーペとか忘れるんだけどね・・・

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寫眞が撮りたいものである

6月以来未更新であった。近況報告である。

私事であるが、祖父が鬼籍に入ったためその關聯で更新の時間が無かった、といふことプラス、海外出張等が入ったこともあってまともに寫眞すら撮れなかった、といふ、人生にはまあかういふ時もあるよな、といはんばかりの状況であり、ブログ更新は二の次にせざるを得なかったのである。

さうかうしているうちに、世の中はだいぶまた様変はりしてきた。漸く選挙が行われ、恐らく十中八九政権交代になるであらう流れはもはや止めやうもなく。自稱インテリ左巻きが妄想と思ひつきで國政をいじったら何が起こるか、と云ふ恐ろしいことがリアルに実感できた3年であったが、そのための代償は大きすぎるものであったと云はざるを得ないだらう。インチキ詐欺フェストは何も実行されず、一方円高は止まらず家電業界や自動車業界・流通販売系はズタボロになり、各家庭には増税だけが残った。その代はりに理解できたこととしては、有権者の選別を經ていない一部のTV・新聞・そして官僚とその取り巻きが好き放題に民意を歪め操作しまくっている、といふおぞましき実態である。まさに清朝末期の宦官を彷彿とさせる状況に思へるのだが、今後数度の選挙を経て恐らく自浄作用としての殲滅・選別が起こるであろう事は想像に難くない。海外と比べ日本はもっと良くなる可能性大の超有望株だと思うのだが、どうも舵を握っている連中が不甲斐なさ過ぎる(狙って潰してる?)のが問題である。

また一方、Internet界隈では無敵とも云へたGoogleが収入面でつまづき、Facebookが凋落しはじめ懐かしのmixi化を辿る一方、そこに掲載された個人情報は突如の規約・ポリシー変更などと共に売り捌かれ始めたやうだ。只ほど高いものは無い、といふ古からの教へ無視した結果なのでご愁傷様としか言ひやうが無いのだが、クラウドだ何だと言ったところでその運營會社が信用できないことには全く危險でしかなく、個人情報や発信源はやはりOSレベルから個人で確保しておくのが最も安全、といふ、これまた詰まらない結末に帰結しさうな勢いである。私の場合は、メインをBlog側にしTwitterに更新情報を流しつつ、他は放置といふ状況になるであらうと予測している。これ系もいちどまとめたいなぁ。

さて寫眞である。コダックが倒産したけど、富士フイルムメインの私には全く影響が出ず。日本萬歳。が、撮れたのはF6で海外出張時にちょいと撮ったくらいで、あとはゼロ。悲しき實態である。本職側の都合上来春過ぎまでこの事態が續きさうなのだが、その後を改善する爲に、以下の改善を計畫中である。

  • 大型カメラの改善。輕く、蛇腹がもっと伸ばせるものに變更
  • 大型カメラ用レンズの改善。手薄だった廣角側(- 90mm)+超望遠系(600mm – )を揃える
  • スライディングロールフィルムホルダーの改善。多角フォーマット對應
  • 4×5モノクロフィルムへの挑戦。安いといふのもあるけど、大型寫眞こそモノクロが生きるなといふ氣がしてきたので
  • 三脚の改善。持ち運びを樂にするため、もっと頑丈でコンパクトなものを
  • クイックリリースプレートの導入。ワンタッチ着脱のため

要するに大型ビューカメラに絞らうといふ話でもあるのだが、35mm系はF6+SB-800による自動調光とお店プリントがやはり便利なので、そのまま。ハッセルもそれ以外の三脚禁止系旅行に便利なのでそのまま、といふのを考えている。可能性として考へられるのは、ハッセルの望遠系(150mm – 250mm系)を一本だけ買う、程度だらうか。180mmが一本あれば充分なやうな氣がする。あとは追加投資を行ふ理由も見つからず、現状維持。

上記のうちどこまで實現できるかどうかは全く不明であるが、無理でも徐々に實現し、氣輕に4×5、せめて6×7以上をホイホイ撮れる環境を作りたいと考へている。

大型カメラWISTA45 SPの使い方(2012年版)その3

その2の続きである。

さて、最後は使い終わったWISTAを畳む番である。要はその1の組み立てる際の逆をやれば良いだけではあるのだが、それでは面白くないので、ちょいと変わったたたみ方をお伝えしよう。レンズを付けたままの畳み方である。基本的には、レンズの前後をひっくり返してはめ、その後に畳むという一風変わった技である。

この手法は金属型のテクニカルビューカメラだといくつかの機種(Linhof Master TechnikaとWISTA45系くらいしか知らんです)で可能なのだが、必ずしも正しい使い方という訳ではない(説明書には載ってない)方法であるため、そこだけご注意頂きたい。

さて、このレンズを付けたまま畳む方法であるが、基本的には小型のレンズであれば同様にできるのではと思う。ただ、ここでは現代日本において最も入手しやすく現行品の標準画角である150mmレンズである、CM FUJINON W 150mmでの方法である。このCMシリーズは2000年前後に全面リニューアルされた極めて現代の最新型レンズであるが、リニューアルされた際に旧FUJINON WS型よりも大型化されてしまっており、ふつうに前後ひっくり返してはめ、畳むとベッドレールに当たる。当然ながらレールも金属であり、そのまま閉じると傷が付く事間違い無しである。というか物理的に閉じないのである。

そのため、レールを当たらない程度ズラし固定してから、閉じるという手法になる。我が家のWISTA45SPだとこれで百発百中で閉じるので、同機種・同レンズをお持ちの方は当たらないようにゆっくりと試してみて欲しい。これ便利です。

ちなみに、これは通常の下に数ミリオフセットされた(下付の)リンホフボードの場合である。WISTAから発売されているセンター穴あきボードの場合は、そのまま格納できると思われるので、もしお持ちの方は試してみて欲しい。ちなみに私は互換性を優先させるため持ってないのである。

まず最初。レールの二段目を後枠のレールにぴったりくっつけるため、奥まで押し込む。その後、CM FUJINON 150mmを前後ひっくり返して前枠にはめる。意外かもしれないが、フラットボードをひっくり返すだけなので当然ながらはまる。

そのあと、前枠を後枠に押し込む。ズリズリズリ〜

さて、ここからがポイント。通常だと、二段目レールを一段目と同じ位置に戻して畳むのだが、「わざと」完全に戻さずに、ちょっとだけずらして固定するのである。私が目安にしているのは、二段目レールに刻まれた黒・赤・黒・・・という目盛りの一番下の部分と、固定レバーの上にある銀色の点(たぶんネジのさきっちょ)の上の部分を一致させる事である。判りづらいかな? 斜めに傾いてる黒いレバーの上の銀色のポッチの部分である。

さて、この二段目をズラした状態で、後枠の横の固定ダイヤルを緩め、ゆっくりと閉じるのである。普通ならここでレンズの後群が二段目レールに当たるのだが、微妙にズラしているので、あら不思議、当たらないのである。まあ、念のために最初はホントに当たらないようにゆっくりと確認しながらやって欲しいのである。

閉じてしまった状態。中に150mmレンズが入ってます。これでバッグの中に150mmレンズ一本分のスペースが空いた。いつも軽量超小型バッグに押し込んでる私としては、この一本分の差はとてつもなくデカい。だってこれでさらにもう一本レンズ持って行けるんですよ奥さん!!

金属製カメラは木製のものに比べて重いのが弱点であるが、このレンズを格納できるという必殺技を持った機種は木製機種にスペースで勝てるという、あちらを立てればこちらが立たず、との面白い話である。木製カメラはみんな前枠を外すか倒すかして閉じるから、原理的にレンズをはめたままの格納は無理なのである。

念のためピントグラスを外してみたものがこれ。レンズをひっくり返して格納しているので、前玉がこんにちは状態なのである。ギリギリ数ミリの空間があるため、これでピントグラスに当たらないのである。まさに計って設計されたかのようなこの絶妙感(笑) MADE IN JAPAN萬歳。

ちなみにWISTA45シリーズは1972年頃にファーストリリースでそれ以降あんまり設計は変わってないので、2000年前後に出たCM FUJINONシリーズとのマッチングは単なる偶然である。念のため。

この格納時にレンズのキャップをはめると、何とピントグラスにキャップの先っちょが当たる。これだと振動でピントグラスを割る可能性があるので、キャップをするのは止めた方がいいだろう。ただ、レンズ交換時の安全を考慮して、キャップそのものは持って行った方が良いと思うのである。

大体のWISTA45シリーズ特有の基本的な使い方はこんなもんなので、あとはシフトとかスウィングについて、続けたもんか考えている。これ、需要あるのかな・・・

大型カメラWISTA45 SPの使い方(2012年版)その2

その1の続きである。

次は実際に使ってみるところを解説してみる。

WISTA45 SP

組み立て完了のところ。ここから再開。

WISTA45 SP

裏。いわゆるグラフロックバッグである。バッジが付いてるところはファインダーのフードになっていて、下の丸ボタンを上にスライドさせることによってバネで跳ね上げられる。

WISTA45 SP

ファインダーフードを跳ね上げたところ。当然ながら金属製+革製で、ファインダーガラスのプロテクターも兼ねている。こういう堅い所が金属製ビューテクニカル機の良い所である。

WISTA45 SP

フードは横に開ける。邪魔なときはこういう風に開いて・・・

WISTA45 SP

こうやってワンタッチで外せる。上に持ち上げたら番井がバネになってるので引っ込んで外せる。日本製らしく意外に作り込みが細かい。

WISTA45 SP

外したところ。ここまで来ると通常のビューカメラと同じような見栄えになってきた。但し、この状態だとファインダー像が暗すぎて屋外だと全く見えない。冠布(かんぷ)が必須である。ちなみにこのファインダーはWISTAにお願いして、標準構成のフレネルレンズ(波が刻んであるプラスチック板)ではなく、普通の磨りガラス(方眼罫線入り)に変えてもらっている。厚みが違うので、抑えの金属もカスタムになっている。フレネルは明るいけど、目が粗くてピントが合わせにくいのだ。磨りガラス+ルーペ最強。
WISTA45 SP

後ろのグラフロックバッグは、特にストッパーも無く、動かしたいときにグイッと回せばくるっと回る。いわゆるリボルビングバック。縦位置にするのもワンタッチで、90度回転した所でカクッと止まる。堅いからクルクルは回らない。金属製カメラ万歳。

WISTA45 SP

縦位置。この眺めはなかなか格好いい。ちなみに花を撮影する場合は何故か縦位置で撮影する事が多い。

WISTA45 SP

で、撮影時。ファインダーを持ち上げてカットホルダーを滑り込ませる。ここではよく使うSinarのロールフィルムホルダーを突っ込んでいる。

WISTA45 SP

突っ込み終わり。グラフロックバッグ規格なので、カクっと止まる。WISTA45の場合、枠から出っ張った所が邪魔で引っかかる。これは過去の記事で書いたとおり。

WISTA45 SP

んで、引き蓋を引いて撮影。4×5サイズのカットホルダーも、インスタントフィルムホルダーのPA-45も同じ手順である。引き蓋を引かずにシャッターを切ったり、シャッターを閉じずに引き蓋を引いて感光させたりしないように注意。

WISTA45 SP

ファインダーは当然ながら外せる。バネで押さえてある銀色のアームを押し込んでずらすと、するっと外れる。

WISTA45 SP

外したところ。蛇腹の中身はからっぽである。そりゃそうだ。写真機なぞ元からこんなもんである。奥に見えるのはレンズの後玉である。レンズシャッターを開けているので向こう側が見える。

その3へ続く。

大型カメラWISTA45 SPの使い方(2012年版) その1

この特集は観てもらえる人を増やすため、現代仮名遣い+新字体を使います。

先週までのHASSELBLADの話題は段々飽きてきた。ので、メインで使ってる大型写真機の利用者を増やすべく、愛機WISTA45 SPをざっくりと説明していきたい。この辺は書籍にもあまり書いてないので、実際に使ってみるしかよく分からないだろう。各メーカーが説明書等々をフリーで公開してくれれば良いのだが、仮に公開されたとしても余り記載が詳しくないので、やっぱり有用であろうと思う。

過去にもなんか書いた記憶があるのだが、そこまで詳しくは書いてなかったと思うので、今年版という事でひとつ。ちなみにWISTAの人曰く、我が家のはWISTA45 SPの前期型(初期型)らしく、部分的に色が違ったり材質が違ったりしているのだが、現行型と比較しても大して変わらんので安心して欲しい。

WISTA45 SP

立てたところ。畳んである。重さは大体2.9kg。総合金製で頑丈である。各種機能が満載であり、Linhofマスターテヒニカと似てる割に、比較しても結構機能が異なる。まあ実際使ってみれば判るのだが。

WISTA45 SP

裏。三脚穴は通常の国産の1/4インチのやつ。純国産だし。MADE IN JAPAN。というか板橋区製。ウイスタはリトレックSPとかリトレックビューで有名な、昔の武蔵野光機の後継会社である。

WISTA45 SP

ベッド部に見えるボタンを押し込んで開く。開く前に取っ手の下に見える大型のダイアル左右両側を緩めないと開かないので注意。このようにリンホフのマスターテヒニカとかと比較しても、ベッド部にタスキが無くて極めて頑丈である。

WISTA45 SP

開いたところ。後枠とベッドを繋いでるダイヤルが強大にデカいのが判るだろう。後枠は前後に動かせるが、途中でクリックが入り傾けた分量が判りやすくなっている。総金属製ならではである。伊達に重い訳じゃないのだ。

WISTA45 SP

前枠を引き出す。その為に一段目のレールを後枠にくっつける。マスターテヒニカと同じなのだが、これをやらんと削れるので注意。マニュアルにもちゃんと書いてある。

WISTA45 SP

取っ手を摘んでズリズリと引き出す。離すと止まる。かなり硬いので注意。逆にユルユルだと困るので、これはこれで正解。

WISTA45 SP

ベッドと後枠を繋ぐダイヤルを締め込んで固定。

WISTA45 SP

WISTA45シリーズは二段レールになっているため、ここでは250mmレンズを付けるために一段目を引き出す。固定は二段目に付いてる二つのレバーで行う。操作が直感的で非常に判りやすい。

WISTA45 SP

で、レンズをはめる。レンズボードはいわゆるリンホフタイプならなんでもはまる。はず。これは過去の記事の通りWISTA純正のボードをヨドバシカメラ経由で取り寄せて使っている。3000円くらいだったはず。WISTAの金属製バッジが付いている。

WISTA45 SP

上のノブをちょいと上に持ち上げて固定。バネであるので楽ちん。よく見たら判るのだが、WISTAのバッジは日本でお馴染みの藤の家紋である。由来は知らんのだが、誰かの家のものだろうか。ちなみに熊本市にある藤崎八旙宮と同じ家紋であり、密かに気に入っている。日本製って感じでいいじゃないか。

WISTA45 SP

次にライズ用の前枠の固定ダイアルを緩める。向かって右側。

WISTA45 SP

次に向かって左側のライズ用のダイアルでズリズリと8mm持ち上げる。上の画像で判るが、丁度ライズで持ち上がった枠が8mmなので判りやすい。マニュアルに書いてあるのだが、リンホフタイプの下付ボード(オフセットボード)だと光軸が下になってしまうため、持ち上げないといけないのである。これ知らない人多いので注意。

WISTA45 SP

組み立て完成。だいたい慣れたら1分くらいで出来るようになるので、そんなに気にする必要はないだろう。あとはレリーズを付けて、レンズのシャッターを開け、絞り開放にしたら撮影開始である。

WISTA45 SPは生産開始から30年くらい経ってると思うのだが、WISTAのオンラインショップ(または板橋区の本社)やヨドバシカメラ等々でまだまだ現役で入手できる。当たり前だが修理もやってくれるし、蛇腹も含め各種パーツもヨドバシ経由またはWISTA直で供給OKである。これは日本製ならではである。

中古だと恐らく7万〜15万の間くらいが適正価格だと思うが、折角なら新品がいいという方は景気振興と会社存続も兼ねて如何だろうか。2.5kgで軽いけど機能が削れたWISTA45 VXというのもあるので、用途に応じて。

ちなみにWISTAからは一銭ももらってません(笑)

その2に続く

70年前のモノクロ寫眞

お盆で實家を廻った際に、92になる祖父から大東亞戰時の貴重な話をたくさん聞いてきた。その際にボロボロな紙焼き寫眞を託された。これは死んだ兄貴のたった一枚だけ殘つた寫眞だから、これを飾りたいから伸ばしてくれ、と。

撮られたのは恐らく昭和15年辺り。撮ったのは祖父が當時の初任給をぜんぶぶち込んで購入したといふオリンパスのカメラ(機種不明。セミオリンパスII?)か。ブローニーのネガフィルムを元にお店でS判の印畫紙に伸ばしてもらったものであらう。場所は恐らく、當時の家の前の納屋(今もある)の前のやうである。追記:どうやら話をさらに聞いていくと、これはブーゲンビル島で軍に撮ってもらったもののやうである。封筒に入って現地から送ってきたという事であった。なんとまぁ・・・

ただ、顔から胸にピントがあっている割に足元がピンボケしているから、大型寫眞機(ブローニーまたは4×5)を煽ってピント面を斜めにし、顔周辺だけに嚴密に合わせ撮っている可能性がある。なんでそんな事をしてるのかは不明だが、流行つてたのだらうか? その場合一體誰に撮つてもらったのか? もはや不明である。

但し、はつきりしているのは、この後ブーゲンビル島に行つて戰死する直前に撮ったもの、といふ事である。階級章を見ると星が二つ、一等卒であらうか。しみじみ見ているとつい最近撮ったもののやうにも思へてくる。明治大正生まれの祖父からすると結構最近の事といふ感覺なのだらうか。

紙焼きを見るとかなりボロボロだが表面は割れておらず、そのまま持ち歸りスキャナーで讀み取ることが出來た。但し、等倍で見ると伸ばした時+經年で付着したゴミやらが凄く、Lightroomのスタンプツールで地道に消している。モノクロではあるが、256段階しか表現できないJPEGごときにこの風合いが出せるはずもなく、色味は殘した狀態としている。

綺麗に化粧直しした畫像を改めてじつくり見ると、滑らかで豊かな表現にうっとりとする。多少セピア調に變色している。これを見ていると昨今のデジカメが演出する「セピア調」がいかに虛飾にまみれた淺薄な兒戲である事かと、文化の逆進に背筋が凍る思いである。寫眞文化はこの昭和10年代から昭和40年代末くらいまでが全盛期となり、その後は御存知の通りの轉落ぶりである※。

難しい話はさておき、このやうに70年前くらいの寫眞がふつうの家庭に無事殘存しているといふ事實は驚愕に値する。色抜けしないモノクロ寫眞の耐久度に俄然に興味が湧いてきた。これまで直接感光するリバーサルフィルムを中心に撮つてきたが、ネガ-ポジ反轉法である紙焼きにも遂に手を出す日が近いのだらうか。その前にモノクロ撮影に勤しむべきか。

※自然光を元に感光體を直接「焼く」つまり化學變化させるといふ寫眞の原點を考へた場合、ベイヤー型センサー情報を元に繪と色を人爲的に演算し組み立てていくデジカメなんぞは寫眞といふ範疇にすら入らないと思ふのだが、經驗上この論に賛同される・されないは半々くらいである。

4×5インスタントフィルムで芍藥・藤・椿 FP-100C45

遂に復活。何となくそんな氣分でWISTAを担ぎ出した。大型寫眞機での撮影である。レンズは2本、150mmと400mm。現狀これだけしか持ってないのでフルセットではある。近々増やす野望を立てている。最近ハッセルをよく使っていたが、やはり大型寫眞機が私には合っていると思い直している所である。

極めて久しくの担ぎ出しであったため、1年以上使ってなかった4×5のインスタントフィルムを使ってみた。全てFP-100C45である。福岡は今日曇りから晴れの間を行ったり來たりであったが、午後は何となく晴れていた。花曇り前後である。

芍藥
(CM FUJINON CM W 150mm F5.6)

防濕庫に放り込んであったため、これでは特に變色等は見られない。白色も良く出る。

藤
(FUJINON T 400mm F8)

調子に乗って藤を撮ってみた。色が變であるが、元々こんな發色であった氣もする。但し、赤方向に轉んでいるため、やはり2年近い放置は良くないのだらう。

實は一枚目を大失敗してしまった。久しく使ってなかったからか、白い紙を引っ張ってもフィルムが出てこなかったので「?」と思ひながらもう一枚白い紙を引っ張ってしまった。これが元兇。2枚グチャグチャになって出てきてしまった。2枚目は見るも無慘な眞っ白けっけ。1枚目も一緒に出てきたがどうも現像液が行き渡ってない模様。ドキドキして規定秒数待ち剥いでみると・・・

椿
(CM FUJINON CM W 150mm F5.6)

こんなのが出てきた。FP-100Cは10枚で4000円くらいなので、大損害である。このカットは6×7のリバーサルでも撮影していたので、まあ良しとしやう。とにかくFP-100C45はコストがかかるため、必殺技に取っておいて、普段はもう少し小さなFP-100Cを使へるやうにPA-145を入手せねばならない。

FP-100C45

今日の溫度は槪ね25℃程度であったため、フィルムを剝がすまでの待ち時間は90秒である。これはフィルムの裏に書いてあるので、それを參照する。現像中は触らずフリフリせず、静かに置いておく。規定秒數に達したら一氣に「えい!」と剝ぐべし剝ぐべし。ベタベタの現像液+紙が殘るので、ちゃんと持ち歸るべし。決して現地に捨てるなど非國民的所作はやってはならない。

フィルムの方は敢へて4×5で撮らず、全て6×7で撮影した。まだ芍藥があまり咲いておらず、本番は來週に持ち越しである。蛇腹を伸ばして氣輕にマイクロ撮影、兩眼での構圖の確認など、大型寫眞機の利點は限りない。今後はやはりメインをこちらにするのが得策であらうと思ふ今日この頃である。

謹賀新年 平成廿三年

平成廿三年、明けましておめでたう御座います。今年も宜しくお願い致します。

平成廿三年年賀状
(click to large)

今年の年賀状はハッセルで撮ったFUJICOLOR PRO 400フィルムをGT-X970でスキャンしてJPEGにしたあと、フジカラーの年賀状にインターネットで申し込んだものである。住所を知っている方々にお送りしたが、だいたいが殆ど知らんのでどうもすみません。個人情報嚴しいもんなぁ。

場所はどこでせう? 分かる人は分かる・・・かも(笑) 瀬戸内海を超逆光です。

さて去年フィルムを何本(何枚)撮ったかはいま集計中であるのだが、結構撮った。フィルム環境を嘆く暇があればどんどん撮るべし。どこの世界でも本物は手間隙かかるものである。

今年の目標はまだ立ててないが、4×5の廣角レンズを入手するといふのは間違いない課題である。年末に上京した際には良い程度のものを見つけることができんかったのであるが、今年こそは。あとは熊本の景勝地を4×5で撮って廻る、といふものであらうか。

まだグルグル頭が回っている状態であるが、なんにせよ目出度い正月であるので赤酒でも飲んで醉っ拂う予定である。

晩秋の阿蘇・其の貮 大觀望

其の壹はこちらへ。

大觀望(Click to large)

其の壹を書いてから暫く經ってしまったのだが、再開。前回は大觀望の展望所から見て左側だったのだが、今回は右側を4×5で。パラグライダーが氣持ち良ささうである。

WISTAで煽ってピントを手前から奥まで全部合わせてみた。絞りはF54程度で、1/15程度だったかと思ふのだが、シャッター速度が遅くてパラグライダーがぶれている。まあ想定通りではある。現場は非常に明るい狀況だったので、フィルムは青っぽくなっているが、色温度が高いのでまあこんなもんであらう。フィルターなんぞ持ってきとらんし。

やっぱり廣角が欲しい。75mm程度(35mm判換算で21mm程度)がいい。WISTAに標準ボードで付くかどうか不明であるが、説明書を見る限りでは何とかなるやうではある。ライズ・フォールしなければ何とかなるだらう。たぶん。