ハウステンボス 其の貳

昨日フィルムスキャンしたやつの一枚。

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デジカメの苦手な表現は數多有り過ぎて困るくらいなのですが、個人的に絶對赦せないと思ふひとつに、綠の表現があります。この寫眞畫像で云へば白鳥の泳ぐどぶ川の色。

すんごい綺麗なエメラルドグリーンとか、噓臭い透明な淡い色とか、現實がパステル色のバラ色ファンタジーに早變はり。虛飾に塗れた噓の世界。

こんな元も子もないドブ臭い色はなかなか出ないでせう。まあ、この辺は嗜好の範圍ですね。お好きな方でどうぞ、ってことで。

※色溫度が高いですが、見た目通りそのままにしてあります。

VueScanでのフィルムスキャンまとめ – ハウステンボス

 

さて前回VueScanについていろいろ書いたが、忘れないためにフィルムスキャンの實際のフローをまとめておきます。フィルムスキャンをやったことがない方も、大體こんな感じとご理解頂けるのではないかと思ひます。

まず、フィルム。當たり前であるが此がないとスキャン出來ません(笑)。まずフィルムをカメラに詰めて、撮ってきて寫眞屋さんで現像してきませう。めんどくさいなら富士フイルムの「写ルンです」でも大丈夫。あれも歷とした寫眞機であります。

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ここで準備したのは120判(所謂ブローニー判、一般的な135判(35mm判)よりも倍くらい大きいもの)のリバーサルフィルム(所謂ポジフィルム・スライドフィルム、一般的なネガフィルムの逆で正像)である。フィルムが大きいので目視でも充分に鑑賞に堪へます。白い部分がスケスケなので、いまいちよく見えませんが・・・

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ライトボックスにかざすとこんな感じで完璧に見えます。透過光は綺麗ですねー。ルーペで覗くともの凄い高精細ぶりに息を飲みます。これは撮った本人の特権なので見せません(笑)。というか見せられないですねー。上の畫像はiPhoneで撮ったため、自動露出の關係で見た目より濃いめに出てます。

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ライトボックスはA4のでかいものも持ってますが、さっと使ふにはこの小型のが便利ですね。單四電池で動きます。新書一冊分の大きさです。所謂便利グッズ系であります。

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これをスキャナー付属のフィルムホルダーにはめます。はめる際にはフィルム用の手袋を使ひませう。ヨドバシカメラとかで買へます。フィルムを裏返してはめませう。慣れないと傷つける可能性があるので愼重に・・・慣れたらホイホイやっちゃえます。

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ホルダーごとスキャナーにはめませう。穴の位置を合はせて置くだけ。スキャナーの蓋側の白い板を外すのを忘れずに。此を忘れると透過光ユニットが正常に動かずスキャン出來ません。要するに上のライトボックス相當の光がないと正像として見られないから、フィルムの後ろから照らしてやってるんですね。(だからホルダーにはめるフィルムは逆にはめるのである)

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はい、VueScanを起動して「プレビュー」ボタンを押しませう。設定は前回の記事を參考に。キューといふ音を奏でながらプレビュー畫像が出てきます。これは30秒くらいかかったかな。純正のEPSON Scanより高速に出てきます。

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はい、プレビュー終はり。正しく設定していれば、こんな感じで6コマを自動認識して、しかもスキャンする領域を自動認識して、自動露出してくれます。「スキャン」タブに移り、一齣ずつ右下の「→」ボタンを押して確認していきませう。

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一コマ目。完璧に自動で切り抜いてくれてますね。わたしはフィルムの枠までスキャンしたいので、「切り抜き」の「しきい値」をちょいと大きめに指定して、スキャンする領域を広げています。この自由度は純正EPSON Scanではできない藝當ですね。(大中小の荒い三段階しかない)

 

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はい、どんどんコマを進めていくと、5コマ目の自動認識が間違ってました。何でこんなヘンテコな認識をしてくれるのかさっぱり理解できませんが、かういふ場合は手動で領域を修正してやりませう。

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「プレビュー」タブに戻ると、案の定隣のコマとまたがって選擇領域が擴がってます。 こいつをマウスでよいしょと選擇し直します。

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はい、できました。簡單ですね。「スキャン」タブを再度選擇して確認しませう。

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綺麗に選擇できてました。自動露出もバッチリですねー。この辺は恐ろしい賢さです。EPSON Scanだとかうはいかないのです。

はい、最後のコマまで確認が進んだら、左下の「スキャン」ボタンを押しませう。この場合は、「出力」タブでJPEGを指定しています。「入力」タブのバッチスキャンで「すべての」を指定してあると、いま確認した6コマぜんぶ一氣にスキャンしてくれます。

さて、待つこと20分くらい・・・1駒ずつ出來上がるので、順次確認できますが、ご飯でも食べて待ちませう。

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はい、出来上がり。完成した畫像をLightroomに取り込んで、上下左右をちょっとだけ切り抜き、解像度を落として1000×1000 pixel程度に落としただけです。元がPROVIA 100Fらしいすっきりとした寫眞であったため、見た目まんまの良い取り込みになったのではと思ひます。クリックするとちょいと大きくなります。

この寫眞、今年の6月くらいにハウステンボスにて撮ったやつなんですが、HASSELBLADを手持ちで急ぎで撮ったため、塔が傾いてますね(笑)。展覽會にでも出品するならちょいと廻轉させたいところではありますが、ここではスキャンが主題であるため、そのまま掲載しておきませう。

といふか、フィルムに寫眞としてかう撮れてるわけで、それはそれであります。このままが寫眞。電子塗り繪に堕すのは趣味ではありません。そのままを鑑賞いたしませう。

※フィルムをホルダーから外して戻すのを忘れないやうにしませう。

さて、パソコンによるフィルムスキャンの概要は槪ねご理解頂けたのではないかと考へましたが如何でせうか?

VueScanはMac版だけでなくWindows版もあるため、全く同じ手順で可能かと思ひます。あとはEPSON GT-X970とかフィルムスキャンができるスキャナーを買ってくるだけであります。最近はだいぶ安く入手できるので、良い時代になったもんです。

やたらと高額で短命のデジカメなんぞ頻繁に買い換へるのではなく、ビンテージバルナックライカを長年使い込み、+フィルムスキャナーでBlog掲載と洒落込むのもおつなもんです。私は趣味性の高い方を撰びたいですね。折角の趣味なんだし。

 

吉野ヶ里遺蹟

ちょっと前だが吉野ヶ里遺蹟に行ってきた。福岡市より車で30分-1時間程度である。確か6月頃であったが、この時も8月の現在と同じくらい暑く、ヒーヒー言いながら廻った記憶がある。

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吉野ヶ里遺蹟に關する知識は余り持ち合はせて居ないのが殘念であるが、この周辺は遙か昔より肥沃な地であった事は間違ひなく、豪族のものである壺型の棺が大量に小高い丘陵地に見つかっていたりして、なかなか想像を掻き立ててくれる。

建物は倉庫に相當するものが高床式、住居に相當するものが竪穴式と分かれていた。これらの再現は想像との事であるが、それなりに考證がされてゐるらしい。當たらずしも遠からずと言ったところであらうか。

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他の寫眞も大量にあったのだが、とりあえずVueScanの使ひこなしをあれこれしていたら時間切れになってしまった。が、その成果として、GT-X970とブローニーホルダーによる6コマ自動切り出しバッチスキャン、及びDigital ICE相當のゴミ取りが出來るやうになった(要するにEPSON Scan相當のものである)。前回も指摘したやうに、スキャン動作そのものが比較的に閑か且つ高速であり、もはやEPSON Scanに戻る氣すら失せてしまった。

なを、上記畫像はかなりのコントラストで暗部が潰れ氣味であるが、實際の見た目がこれであって、リバーサルフィルムのライトボックス上での濃さもこの通りなので、そのまま何もいじってない。2枚目が特に顕著であるものの、これはDistagon CFiの特徴でもある。これを打ち消すにはASTIA 100Fが有效であったが、生産中止の現在、我が家に一箱殘るのみである。

さて、忘れないやうに、VueScanの設定値をメモしておこう。全て標準値からの變更點のみの差分である。

「入力」タブ

  • モード: 透過光原稿
  • 対象: スライドフィルム
  • 1ピクセルあたりのビット: 64ビットRGBI
  • バッチスキャン: すべての
  • プレビュー解像度: 400dpi
  • スキャン解像度: 1600dpi

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「切り抜き」タブ

  • 切り抜きサイズ: マニュアル
  • 切り抜きの複合: MF
  • プレビューエリア: 最大

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「フィルター」タブ

  • 赤外線スキャンによる塵除去: 弱
  • シャープにする: ON

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中にはよく分からないで設定しているものもあり、本當にこれで良いのか考へているものもある。が、これでEPSON Scan相當の自動処理が出來ている。あとは、入力タブの「フレーム番号」で1枚ずつスキャン範囲や露出等を決めていけば、勝手に記憶して、その設定値で一氣にスキャンしてくれる。賢いやつである。後日改めてこれ専用の記事を掲載したい。

※畫像を大きくし、VueScanの設定スクリーンショットを追加しました

Attraction of the middle format film

I went to the place where I like to visit, Ohori park in Fukuoka city, the beautiful place. The next place is the Fukuoka castle, the famous park of the cherry blossoms and ume flower. Unfortunately, the ume flower was end, but the cherry blossoms will be fine within few weeks.

I went to shoot the cherry blossoms with middle format camera, the Hasselblad. There was many photo shooter, but almost all had the digital small format camera with zoom lenses. I disagree the authenticity of the digital format, and I like with film shooting.

I have some format cameras, 35mm, middle format, and large format. In recent days I often use the middle format camera, the Hasselblad. This world class famous camera has many extreme well-made lenses, the Carl Zeiss. Unfortunately, the latest Haseelblad H series don’t have the Carl Zeiss series (with FUJINON, the lens manufacturer in Japan), but the previous V series has many Carl Zeiss lenses made in Germany. And this is full mechanical camera, working with no electronic powers.

I like the large format film, and with reversal (slide) film, because of its integrity — we can see the film with normal color directly. The 35mm film size is very small and we can see it with some 4x rope for full sight, but the middle format or larger size enable to see directly. The middle format film with Hasselblad 6×6 cm size is the smallest size to see directly I think. Its size is little bit smaller than the normal postal card, and good to see it directly through a light box.

This direct view size also enable me to see with both eyes through the view finder. Hasselblad has a big, bright and beautiful finder called acute matt D, developed by Minolta, and it makes me happy to shoot.

Anyway, I went to there with my Hasslblad 503CW, and bring my 2 lenses, Distagon 50mm CFi and Sonar 180mm CFi. I planned to shoot cherry blossoms with Distagon for the wide angle for the main purpose, and the Sonar to shoot with long-range shoot for the sub.

2013-03-15

 

Yes, I love this old-style shooting.

 

福岡城大銀杏の新緑 CFi Distagonの威力と癖

福岡城大銀杏の新緑
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特に有名な木と云ふ譯でも無いと思ふのだが、でっかい銀杏に青々と新緑が出ていたので廣角レンズで撮ってみた。緑が綺麗なのである。それだけと云へばそれだけである。

本格的に寫眞を撮るようになってから、このやうな當たり前の景色に對して随分と敏感になったものだと感じる。普通は大して見向きもされない被寫體に對して綺麗だなと思ふ感覺は、デスクワーク主體の感性からは絶對に導き出せないと確信している。生活に侵入するデジタル万歳な流れから一時身を休めるためにも、寫眞こそはアナログで貫き通したいと考へる次第である。

しかし、買った當初は「あれー、こんなもんかな?」といふ感じだったCarl Zeiss Distagon T* 4/50 CFiであるが、最近は諸々大活躍である。結局は上手く使ひこなせなかっただけ、といふ結論になるのであらうが、やはり元々プロフェッショナル利用を想定しているHASSELBLADのレンズだけあって、一筋繩ではいかないところがある。

このCFi Distagonの使い方は難しい。無理に高精細型のフィルムを使ったりPLフィルターを利用すると暗所が潰れ階調の薄いトンデモ寫眞の出來上がりなのである。そのため、富士フイルムのリバーサルならPROVIA系かASTIA系、ネガならPRO 160NCかNS系の比較的普通の描寫をしてくれるタイプを用いる必要がある。先代のCF系だとVelviaでもOKだったさうであるが、とてもではないがこの最新型では無理。それだけコントラスト命で作り込まれていると考へれば良いのだらう。

また、35mm判換算で25mm前後の廣角レンズであるため、水平を嚴密に取らないと乗り物醉いしさうな寫眞になってしまう。これはSWC等に付いているBiogonなどと同じだとは思ふ。6×6判が特に目立ちやすいといふのもあるか。

あとは、FLEといふフローティングレンズ要素が手動であるため、こいつを距離に合はせてカチカチと設定する必要がある。大半は4m〜無限の所に合はせておけば良いのだが、たまに近接撮影する場合に設定を忘れてしまう。影響は微細であるものの、やはり正確に設定しておいた方が尖鋭度が良いやうな氣がする。

それと意外にも手振れしやすい。HASSELBLADの利點は手持ちで中判一眼といふ所に歸結してしまふと思っているのであるが、シャッタースピードは最低でも1/60は必要だと感じる。35mm判の感覺だと1/30でも行けると思ふのだが、愼重にシャッターを押してもぶれている事が多い。まあ、クソでかい503CWのグラインドミラーがバコ!と跳ね上がる衝撃なのだらうが、これは諦めるしかないか。

特に日本の有料廣告誌商業寫眞誌だと2000年代以降のCFi/CFEシリーズのレンズについては全く人氣がないといふガラパゴスな状況が續いたお陰でずいぶんと安價に底値で買へたこのレンズであるが、結局世界レベルでは人氣がありebayでも値上がり著しく、殘念ながら日本でも價格が徐々に上がりつつある。恐らく3年前に破格で購入した水準では現在では難しいだらう。といふか無理。もっと古代のCレンズ万々歳な中古カメラ屋主導の風潮が續いてくれればもっと安く買へたのだが。殘念である。

機械式寫眞器とはいへ、特に機械式こそメンテナンス命でもあり、部品供給等の心配が最も少ない最新式が選擇されるのは極めて合理的である。HASSELBLADなぞは愛でる對象としては元々イマイチであり、使い倒してナンボの實用機として世界中で取引されていたりするわけで、さういふモノとして珍重され愛用されるのは道具として幸せだろうな、とふと思ふ次第である。

福岡城の枝垂れ櫻

福岡城の枝垂れ櫻
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九州では櫻の季節が終はって久しいのではあるるが、フィルムの現像が上がってきているので今頃になって見返す日々である。何度か書いているやうに、これは寫眞の利點でもある。撮って直後に「プレビュー」できてしまう疑似寫眞器では當然ながら味わえないのだが、電子ファイルとは完全に事なり、フィルムの上に物理的に繪を成しているからこそ、時間がかかるのは必然だ。エア寫眞とは事なり、實際に触れるものには時間が必要なのだ。まあさういふ堅苦しい事はおいておこう。

さて、被寫體の上では櫻の染井吉野だらけな現状は飽き飽きである。枝垂れ櫻や八重櫻も観たい。福岡城には天守閣が殘存していないものの、枝垂れ櫻は豊富にあり、目を愉しませてくれる。種の保存といふ觀點だけでなく、多樣性を我々の社會でも維持できるやうな余裕・經濟的な強さが欲しいものである。

牡丹園の枝垂れ櫻 中判の魅力


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福岡の櫻は、熊本市のやうに何でもかんでも染井吉野、といふ譯でも無く、かなりバリエーションが豊富である。木を見ても古くから新しく迄、比較的に八重櫻、枝垂れ櫻、山櫻と豊富であり、色も白から櫻色までかなり選り取り見取りである。何でもかんでもお上の云ふ事に右に倣へな文化である熊本に對して、福岡はどちらかといふと斜に構えるところがあり、ここが櫻の種類についても豊富にある所以であろうと勝手に思っている。

さてこの寫眞は枝垂れ櫻、と云ふ譯でもないのだが、なかなか良い形をした一本であり前から何度も撮影している木である。櫻は櫻色が良い、といふ風潮に對して真っ白な花を咲かせているのであるが、ほんのり紅く染まっている感じが青空に映えるのである。實物を見ると息を飲むくらい綺麗なのであるが、これを表現するには透過光でなければほぼ不可能である。

幸ひにしてリバーサルフィルムは同じく透過光で鑑賞するものであり、私の手元では究極と云へる美しさをライトボックスの上で輝かせている。物として殘る寫眞ならではである。寫眞を眞似た模擬的バーチャルな畫像ファイルでは、私としてはやはりモドキ相當な殘念な滿足度しか味わえない點で「ノー」である。

何故私がデジカメの畫像ファイルを原版として保持するのを毛嫌いするのかと云ふのは樣々理由がありすぎてもはや説明不能なくらいの勢いであるのだが、そのうちの一つの理由がこの「滿足度」である。本氣で撮影に行って、苦勞して得た結果が、コンピューターの畫像ファイルといふのは、私の美學的には全く同意しかねる。苦勞したり愉しんだり、時間を得て獲得するのは、やはりリアルな物であって欲しい。逆に云ふと、リアルな物すなわち寫眞を得るために、私は時間を使ひ趣味にするのだ。バーチャルな畫像ファイルを得るだけの趣味であれば、最初からやってないのである。iPhoneで充分だ。

他にもコストパフォーマンスや永續性などあるが、本筋から外れるのでこのくらいで。

さてこの美しい櫻を寫眞として殘すには、廣角レンズでなければそもそも畫角として入らない。この牡丹園は高臺にあり、下がれる距離もかなり制約がある。人の眼はかなり高機能すぎるので、それ相當の畫角のためには、HASSELBLADであれば50mm以下(35mm判だと28mm〜25mmくらいか)の廣角レンズでなければ入らない。できれば40mmレンズが欲しいのであるが、ほとんど使ふ事がないといふのとやたら高額であるため、現状としてはこの50mmレンズが我が家の最強として君臨している。

私はカメラをどちらかと云ふとただの道具として見ているので撫で回したり自慢したりする趣味はなく、このHASSELBLADもLeicaなどと比較しても作りの良さと云ふものを然程感じる物でもない。もちろん、NikonやCanon等最近のプラスチック玩具風デジカメと比較してもそりゃ金属の完全機械式一眼レフとして良いものである事は間違いない。

ただ、道具としての完成度はやはり相當に高く、スウェーデン人といふか作者のVictor氏の美學といふか、徹頭徹尾實用で一貫したデザインといふのは、使い込むほどに感心する。最初不滿點と思へた数々の部分も、良く良く考へ直すと合理的にデザインされており、もはやこれ以上の中判カメラは今後もこの世に存在しないのではないか、と本氣で思へてくる位納得して使っている。手持ちで振り回す爲に必要な最低限の物を全て兼ね備えており、全てがコンパクトかつ理に叶った設計になっている。

この點はレンズにも當て嵌まり、こちらはドイツの近代レンズメーカーと云ふかレンズ工房といふか、Carl Zeissなのであるが、こちらも國産の小型判に強引にコントラストを付けるため非球面レンズを多用したものと比較しても、レンズ設計で勝負と云はんばかり球面レンズとコーティング技術で直球勝負しているHASSELBLAD用レンズは、圧倒的に自然であり無理がない。それが証拠に、35mm判NIKKORレンズなどで良く出る、強引さの裏返しとして現れる汚い二線ボケやラグビーボールのやうに歪んだ玉ボケ、現實を無視したやうに異常に硬いカリカリの描寫とは無縁である。

最近よく思ふのであるが、35mm判はやはり大伸ばしに對して滿足いく大きさではない、といふ一種當たり前の事實を感じている。元々のロールフィルムの元祖は120ブローニーであったこともさうなのだが、レンズ設計や其の後の紙焼き、フィルムの鑑賞や永續的な保管などで最低限のサイズはブローニーではないだらうか、と考へるやうになってきた。このサイズが最低限、ではなかろうかと。

現實に中判以上のレンズは無理のない設計の物が多いと感じるし、4×5以上のものは小型判とは別次元の滑らかさであるといふのも事實としてある。親指サイズの+αの小さいフォーマットに眞っ當な品質を求めるのは、そもそも無理がありすぎるなぁと思ふ次第でもある。

當たり前であるが、これは單なる趣味人の戯れ言なので本氣で捉えないで欲しいのである。だが、このやうに中判の魅力は實際に使ってみないとなかなか理解できるものでもないだらうとも思ふ。機會があれば是非一度使ってみて欲しいと思ふ次第である。

櫻の福岡城趾


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福岡城は熊本城と異なり、天守閣が殘っていない。そのためちょいと寂しい感じの廣場となっている。天守閣址と思はれる場所はあって展望臺になっているのであるが、さほど大きいものではなく、再建するといいのではないかと思ったりするのである。が、福岡市民の福岡城に對する思い入れは大きい譯でも無さそうで、そのやうな聲は耳にしない。

現状としてはこの寫眞の場所、大手門と幾つかの建物のみが再建されている。幸い周りには櫻が植えられており、この時期の絶好の被寫體となっている。福岡市の特徴としては人が少ないといふものがあり、どこに行っても東京のやうな人出はない。この時もそんなに人は多くなく、ストレスなく撮影が出来た。

さて前回のやうな強烈な蒼を見せたVelvia 100Fであるが、他のコマはこのやうな、どちらかといふとPROVIA 100Fに近い良好な發色を見せている。恐らく色温度が強烈に高い場合や強烈に低い場合などに色が轉びやすい、といふことなのであらう。その點は初代Veiviaも同じであり、高彩色型の制約なのかもしれない。

最近Carl Zeissのレンズに改めて感心している。このマニュアル單焦點レンズDistagon 4/50 CFiも本當に良く寫る。道具としてはコストパフォーマンス最強の部類であらうと思ふのである。

謹賀新年 平成廿三年

平成廿三年、明けましておめでたう御座います。今年も宜しくお願い致します。

平成廿三年年賀状
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今年の年賀状はハッセルで撮ったFUJICOLOR PRO 400フィルムをGT-X970でスキャンしてJPEGにしたあと、フジカラーの年賀状にインターネットで申し込んだものである。住所を知っている方々にお送りしたが、だいたいが殆ど知らんのでどうもすみません。個人情報嚴しいもんなぁ。

場所はどこでせう? 分かる人は分かる・・・かも(笑) 瀬戸内海を超逆光です。

さて去年フィルムを何本(何枚)撮ったかはいま集計中であるのだが、結構撮った。フィルム環境を嘆く暇があればどんどん撮るべし。どこの世界でも本物は手間隙かかるものである。

今年の目標はまだ立ててないが、4×5の廣角レンズを入手するといふのは間違いない課題である。年末に上京した際には良い程度のものを見つけることができんかったのであるが、今年こそは。あとは熊本の景勝地を4×5で撮って廻る、といふものであらうか。

まだグルグル頭が回っている状態であるが、なんにせよ目出度い正月であるので赤酒でも飲んで醉っ拂う予定である。

紅葉とスポット測光

JapaneseFall
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先週末、近くの公園にハッセルを持ち出して120を一本だけ撮りました。非常に風が強く寒い一日でしたが、幸運にも晴れたので最後であらう紅葉を撮れました。良かった良かった。

最近はセコニックのツインメイトというポケットサイズの中央部重點測光なやつを使っておりましたが、そろそろ馬鹿になりさうな予感がしたので、デカいですが最強のL-758といふやつを持ち出してスポット測光することにしました。日向と蔭が交互に入り乱れる難しい所が多かったのですが、スポットだと「ここに合わせたい!」といふ箇所に向けて計れば良いため、極めて便利であります。

ただ、中央部重點測光もさうなんですが、色によって反射率が違ふため、色による反射率の違ひを頭に入れておかないと殘念な結果が待っております。紅葉の朱は概ね18%グレーに近いため出た目OKですが、逆光で撮る場合はまたさらに補正が必要な場合もあり、まあ勘と経験と度胸の世界ですな。慣れたら寫眞機が變はっても全部同じ方法で撮れます。

で、今日現像があがってきたのですが、全12コマ露出OKでした。大概一コマくらい失敗があったりしますが、今回はバッチリでした。よしよし。かういふ場合の定番はVelviaですが、PROVIA 100Fもなかなか良いです。